貴族(アリストクラシー)の語源
「アリストクラシー(aristocracy)」、すなわち貴族や貴族制を表すこの言葉は、古代ギリシャ語の「アリストクラティア(aristokratia)」に由来します。この語は、次の2つのギリシャ語が組み合わさってできています。
- アリストス(aristos):「最も優れた」「最高の」を意味する語
- クラトス(kratos):「力」「支配」を意味する語
したがって、アリストクラシーを直訳すると「最良の者による統治」という意味になります。
本来の意味:徳と才能に基づく統治
この言葉が最初に使われたのは、政治体制を説明する場面でした。当初のアリストクラシーとは、社会の中で最も徳が高く、優れた才能を持つ人々が支配層を構成する政治形態を指していました。血筋や財産ではなく、人格と能力こそが統治者の条件である、という理想が込められていたのです。
現代における意味の変化
しかし、時代が下るにつれてこの言葉の使われ方は変化していきました。今日では、権力や地位をどのような経緯で手に入れたかにかかわらず、高い社会的地位と富を有する階級全般を広く指す言葉として用いられています。世襲の貴族階級などがその代表例ですが、必ずしも「最良の者」という原義通りの意味ではなくなっているのが実情です。