新石器時代最大の変化――定住農耕社会への移行
新石器時代(およそ1万年前以降)に起こった最も重要な変化は、遊動的な狩猟採集生活から定住した農耕生活への移行です。この転換は「新石器革命(農業革命)」とも呼ばれ、人類の歴史における最大の転換点の一つとされています。
農耕と家畜化のはじまり
それまで人々は、野生の動物を狩り、植物を採集しながら場所を移り続けていました。しかし新石器時代に入ると、小麦や大麦などの栽培植物を育て、羊・山羊・牛・豚などの動物を飼いならす(家畜化)技術が確立されました。これにより、天候や獲物の有無に左右されない、安定した食料供給が可能になったのです。
定住と集落の形成
農耕と牧畜によって一箇所で暮らせるようになると、恒久的な集落(ムラ)が各地に形成されました。中東の肥沃な三日月地帯をはじめ、中国の黄河流域や長江流域などでも初期の農耕集落が誕生しています。同時期には土器の使用や磨製石器の製作も広がり、生活文化は大きく豊かになりました。
文明への道
農業の発展によって食料の余剰が生まれると、人口が増加し、分業や社会階層の分化が進みました。やがて都市が登場し、文字や金属器を伴う本格的な文明へと発展していきます。つまり、新石器時代における農耕への転換こそが、後の古代文明成立の揺籃となったといえるでしょう。