エリ・ヴィーゼルの『夜(Night)』において、囚人たちは自らの品格を落とし、人間性を剥ぎ取るような「選別(セレクション)」を通過した後、次に「登録(レジストレーション)」と呼ばれる過程を経ることになります。
登録の過程で行われること
この登録の手続きにおいて、囚人たちは以下のような仕打ちを受けます。
- 着ていた衣服をすべて剥ぎ取られる
- 頭髪を丸刈りにされる
- 見慣れない粗末な囚人服を与えられる
- 腕に入れ墨で番号を刻まれる
登録の目的とは
この一連の過程は、単なる事務手続きではありません。ナチスはこれらの行為を通じて、囚人たちの精神を徹底的に打ち砕き、自分たちが取るに足らない、使い捨て可能な存在であると感じ込ませようとしたのです。
さらに重要な点として、登録の過程は囚人たちを過去の人生やアイデンティティから切り離す役割も果たしていました。名前ではなく番号で呼ばれ、家族との絆やこれまでの自分自身を象徴するものをすべて奪われた囚人たちは、かつての人間としての自分を失っていくのです。
このように『夜』の中で描かれる登録の過程は、ホロコーストという悲劇において、人間性がいかに体系的に破壊されていったかを象徴する場面といえるでしょう。