中世のベネディクト会(聖ベネディクトが創設した修道会)の修道士たちは、一般的に黒い修道服を身につけていました。この特徴的な服装から、彼らは「黒衣の修道士」と呼ばれることもあります。ただし、地域や会衆(コングリゲーション)の違いにより、白色や黄褐色(タン色)の修道服が用いられる場合もありました。
ベネディクト会の修道服を構成する4つの要素
ベネディクト会修道士の標準的な服装は、主に次の4つの部分で構成されていました。
- チュニック(トゥニカ):体を覆うゆったりとした長衣で、修道服の基本となる部分です。
- スカプラリオ:肩から胸と背中に垂らす無袖の布で、もともとは労働の際の保護具としての役割も果たしていました。
- シンクトゥール(腰帯):腰を締めるための革製または布製の帯です。
- フード:頭部を覆う部分で、祈りや瞑想の際に着用されました。
地域の伝統と典礼上の役割による違い
修道服の細部は、各修道院が属する土地の伝統や、修道士が担う典礼上の役割によって多少の違いがありました。修道服は単なる衣服ではなく、謙遜・清貧・神への献身という修道生活の理念を象徴するものであった点が重要です。
参考:白い修道服を採用したシトー会
なお、11世紀末から12世紀にかけてベネディクト会の改革運動として生まれたシトー会は、白い修道服を採用しました。そのため、シトー会の修道士は「白衣の修道士」と呼ばれ、黒衣のベネディクト会修道士と対比されることがよくあります。