中世の従者(スクワイア)の寝場所
中世ヨーロッパにおいて、騎士に仕える従者(スクワイア)は、主である騎士の寝室で寝るのが一般的でした。彼らに専用の個室は与えられず、主の部屋の床に「パレット」と呼ばれる簡易寝台や、その他の簡単な寝具を敷いて眠っていたのです。
なぜ主の寝室で寝ていたのか?
従者が主の寝室で寝ることには、いくつかの実用的な理由がありました。
- 夜間の即応性: 主が夜間に何かを必要とした際、すぐに対応できるようにするため。
- 護衛の役割: 万一の襲撃や火事などの緊急事態が発生したとき、真っ先に主を守れるようにするため。
- 見習いとしての教育: 従者は単なる使用人ではなく、将来騎士を目指す身分でした。常に主のそばで生活することで、武芸や礼儀作法を実践的に学ぶことができました。
つまり、同じ部屋で寝ることは、主と従者の密接な信頼関係を示す慣習でもあったのです。
従者が使った寝具とは?
従者が使用したのは、麻布などの袋の中に藁(わら)を詰めた簡易的なマットレス「パレット」でした。これは床に直接敷いて使われ、藁は定期的に交換されていました。ただし、快適さの点では貴族の寝具には遠く及びません。
一方、主である騎士や貴族は、カーテンや天蓋(キャノピー)付きの四柱式ベッドで眠り、プライバシーと保温性を確保していました。寝具の格差は、中世の厳しい身分制度を如実に反映していたといえます。
まとめ
中世の従者は、主の寝室の床に藁を詰めたパレットなどの簡易寝具を敷いて寝ていました。これは夜間の奉仕や護衛を円滑に行うための実用的な慣習であり、同時に従者と主との強い絆を象徴する暮らし方でもありました。