ピルグリムたちの食卓にはフォークがなかった
17世紀に新大陸へ渡ったピルグリム(巡礼者)たちは、実はフォークを食事に使用していませんでした。彼らが日常的に使っていたのは、スプーンとナイフです。スープやシチューなどの汁物はスプーンですくい、肉やパンはナイフで切り分けながら食べるのが、当時の一般的なスタイルでした。
なぜフォークは使われなかったのか?
当時のヨーロッパ、特にイギリスでは、フォークはまだ一般的な食器ではありませんでした。フォークはもともとイタリアで普及した道具であり、イギリスの人々からは「退廃的で贅沢すぎる」、あるいは気取った習慣だとみなされる傾向がありました。そのため、ピルグリムたちがフォークを持たずにアメリカへ渡ったのは、ごく自然なことだったのです。
フォークが普及するまでの道のり
フォークがアメリカで広く普及するのは、18世紀以降のことです。それまでの間、人々はスプーン・ナイフ、そして手を使って食事をしていました。指先で食べることも珍しくなく、テーブルマナーも現在とは大きく異なっていました。ピルグリム時代の食卓を知ると、身近な食器ひとつにも時代の変遷が表れていることが分かります。