答えは「ロイヤリスト(王党派)」
アメリカ独立戦争(1775年〜1783年)中にイギリス国王のために戦ったのは、ロイヤリスト(Loyalists)と呼ばれる人々です。彼らは「トーリー(Tories)」という名前でも知られており、イギリスからの独立に反対し、最後までイギリス王室への忠誠を貫いた北米植民地の住民でした。
ロイヤリストとはどんな人々だったのか
ロイヤリストは、13植民地に暮らすイギリス系入植者のうち、母国であるイギリスとの関係維持を望んだグループです。当時の植民地人口のおよそ5分の1(推定数十万人)がロイヤリストだったと考えられています。彼らは独立を求める「パトリオット(愛国者)」と対立し、場合によっては同じ町や家族の中でも意見が分かれるほど、植民地社会は分裂していました。
イギリス側についた主な理由
ロイヤリストが王室への忠誠を選んだ背景には、さまざまな事情がありました。
- 経済的なつながり: イギリス本土との貿易に依存していた商人や地主は、独立によって経済基盤が崩れることを恐れました。
- 政治的な信念: 王政こそ正当な統治体制であり、法と秩序を守る存在だと信じる人々が多くいました。
- 過激化への不安: 独立派の一部による過激な行動や暴力に危機感を抱いた穏健派の人々もいました。
- 自由への期待: イギリス軍に加われば自由と土地が得られるとされ、奴隷として扱われていた人々や、先住民族の中にもイギリス側で戦う者が少なくありませんでした。
戦争での役割
ロイヤリストの多くは「ロイヤリスト民兵」として組織され、偵察、補給線の保護、パトリオットへの妨害活動など、イギリス軍を支援しました。南部戦線では、両陣営の民兵による激しい内戦状態が繰り広げられた地域もあり、独立戦争が単なる国際紛争ではなく、住民同士が争う内戦の側面も持っていたことがわかります。
戦後、彼らはどうなったのか
1783年のパリ条約によりアメリカの独立が確定すると、多くのロイヤリストは報復や財産の没収を恐れて北米大陸を去りました。主な移住先は以下の通りです。
- カナダ: ノバスコシア州や現在のオンタリオ州周辺には数万人規模のロイヤリストが移住し、彼らは「ユナイテッド・エンパイア・ロイヤリスト」と呼ばれてカナダの発展に大きな影響を与えました。
- イギリス本国: 一部は母国へ戻り、政府から補償金を受け取りました。
- カリブ海地域: バハマやジャマイカなどへ移住した者も多くいました。
まとめ
アメリカ独立戦争でイギリス国王のために戦ったのは、ロイヤリスト(トーリー)と呼ばれる植民地住民たちです。彼らの存在は、独立戦争が「イギリス対アメリカ」だけでなく、植民地内部の意見対決でもあったことを示しています。戦後は故郷を捨てて新天地へ向かった人々も多く、その歴史は今日のカナダの形成にも深く関わっています。