「ローマ字が発明されたのは何年か?」という問いに対する答えは、実は単一の年ではありません。現在私たちが使用しているローマ字(ラテン文字)には、特定の年に「発明された」という出来事は存在せず、数世紀にわたる進化の過程を経て形作られた文字体系だからです。
源流はエトルリア文字
ローマ字の直接的なルーツは、古代イタリア中部で栄えた文明・エトルリア人が使用していた「エトルリア文字」です。エトルリア人は紀元前7世紀頃に、ギリシャ人からアルファベットを取り入れたとされています。
ローマ人による採用と独自の改良
その後、紀元前6世紀頃になると、ローマ人がこのエトルリア文字を採用し始めました。ローマ人は時代とともに文字に独自の変更を加えていきます。例えば、元のアルファベットにはなかった「G」の文字を新たに考案したことは有名です。
1世紀頃に現在の形へ標準化
こうした変遷を経て、私たちが今日目にするローマ字の姿は、およそ西暦1世紀までに標準化されました。つまりローマ字とは、ある日突然生まれたものではなく、「ギリシャ文字 → エトルリア文字 → ローマ字」という流れの中で、数百年の時をかけて育まれてきた文字なのです。