アメリカ植民地の入植者たちが、イギリス本国の人々から「雑種(mongrels)」と呼ばれて激怒した——こんな逸話を目にすることがあります。しかし結論から言えば、これは事実ではありません。
そもそも「雑種」とは呼ばれていなかった
この話が誤りである最大の理由は、イギリス人が入植者たちを「雑種」と呼んだという事実そのものが存在しない点にあります。当時の歴史的記録や文献を調べても、本国側が植民地の住民をそのように呼んだ記録は確認されていません。
つまり、入植者が怒らなかったのは「侮辱されても動じなかった」からではなく、そもそもそのような発言や呼称がなかったためです。前提となる出来事自体が存在しないため、「怒ったのか、怒らなかったのか」という議論すら成立しないのです。
なぜこのような誤解が広まったのか
この種の話は、歴史上の対立や皮肉を面白おかしく語り継ぐ過程で、出どころの曖昧な逸話として拡散しやすい傾向があります。実際には裏付けのない言葉が、あたかも実在した発言のように伝えられてしまうケースは少なくありません。特にネット上では、引用元の不明な「歴史あるある」が繰り返し共有されることが多いのです。
まとめ
入植者たちがイギリス人に「雑種」と呼ばれて怒ったという話は、史実としては誤りです。イギリス側がそのような呼び方をした記録はなく、怒る対象となる発言自体が存在しなかった、というのが正確なところです。歴史にまつわる逸話に触れる際は、一次資料や信頼できる情報源で裏付けを確認することを心がけましょう。