パレオ・インディアン(古期インディアン)は、約1万数千年前に北米大陸に暮らしていた狩猟採集民です。彼らはマンモスやバイソンといった大型動物を効率よく捕獲するために、さまざまな道具と技術を駆使していました。ここでは、その主な狩猟道具と狩りの方法をご紹介します。
槍(やり)
槍は、マンモス、マストドン、バイソンなどの大型獣を狩るための主要な武器でした。柄には木や骨が使われ、先端には鋭く磨いた石器(石鏃)や骨製の穂先が取り付けられていました。クローヴィス型の石鏃など、特徴的な形状のものが北米各地で発見されています。
アトラトル(投槍器)
アトラトルは、槍を遠くまで飛ばすための補助具です。片方の端にフックのついた、重り付きの長い棒状の道具で、このフックに槍の後端を引っ掛けて使用します。アトラトルを振ると、腕だけでは得られない大きな力が加わり、槍をより遠くへ、より正確に飛ばすことができました。
弓矢
弓矢も狩りに使われていましたが、槍やアトラトルほど一般的ではありませんでした。弓は木や角から作られ、矢は木や骨の軸に石や骨の穂先を取り付けたものでした。なお、北米での弓矢の本格的な普及は、パレオ・インディアン期よりも後の時代であるとされています。
罠(わな)と仕掛け
罠も獲物を捕らえるために活用されました。典型的なのは落とし穴や倒木式の仕掛け(デッドフォール)で、わなはロープや動物の腱(すじ)で作られていました。特に小動物の捕獲に有効だったと考えられます。
追跡と待ち伏せ
パレオ・インディアンは、動物の皮や植物で身を偽装して獲物に忍び寄る「ステルス狩り」や、待ち伏せの技術にも長けていました。獲物が十分に近づいてくるのをじっと待ち、一気に攻撃を仕掛けるという戦略的な狩りを行っていたのです。
このように、パレオ・インディアンは限られた素材を工夫しながら多様な狩猟技術を発展させました。これらの道具や技術は、過酷な環境を生き抜くために培われた知恵の結晶だといえるでしょう。