1870年から1900年:移民の大波が押し寄せた時代
1870年から1900年にかけて、アメリカ合衆国は史上まれに見る大規模な移民の波を経験しました。産業化の進展と経済的機会の拡大を求めて、毎年数十万人規模の人々が新天地を目指して渡米したのです。では、この時期の移民たちは具体的にどの地域から来ていたのでしょうか。
大多数は南欧・東欧からの移民
この時期にアメリカへ到着した移民の圧倒的多数は、南欧および東欧の出身でした。主な出身地域としては、以下の国々が挙げられます。
- イタリア
- ポーランド
- ロシア
- オーストリア=ハンガリー帝国
- その他の東南ヨーロッパ諸国
とりわけイタリア系移民とポーランド系移民は、この時期の到着者の中で非常に大きな割合を占めていました。彼らの多くは農村部での貧困や政治的・宗教的な迫害を逃れ、アメリカの工業都市で新しい生活を築こうとしたのです。
北欧・西欧からの移民は大幅に減少
一方で、それ以前の数十年間は移民の中心だった北欧・西欧諸国(イギリス、ドイツ、アイルランド、スカンジナビア諸国など)からの流入は、この時期に顕著に減少しました。これらの地域からの移民は19世紀前半から中盤にかけてアメリカ社会の形成に大きな役割を果たしてきましたが、1870年以降はその比重が次第に小さくなっていきます。
移民史における大きな転換点
このように、1870年から1900年の時期は、アメリカへ向かう移民の出身地が「北欧・西欧」から「南欧・東欧」へと大きくシフトした転換期でした。後に「新移民(new immigrants)」と呼ばれることになるこの流れは、20世紀初頭まで続くことになり、アメリカ社会の文化的・社会的構造に深い影響を与えました。