イギリス軍が鋼鉄製ヘルメットを大量に着用し始めたのは、1916年7月のソンムの戦いにおいてでした。
鋼鉄ヘルメット導入の背景
第一次世界大戦の西部戦線では、砲撃により飛び散る榴散弾(シュラプネル)による頭部負傷が深刻な問題となっていました。開戦当初、イギリス兵が着用していたのは布製や革製の柔らかい帽子だけであり、頭上から降り注ぐ金属片から頭部を守ることはほとんど不可能でした。
ブロディー・ヘルメットの誕生
こうした状況を受けて、1915年にジョン・レオポルド・ブロディーによって設計されたのが、浅くて平たい鍋のような形状の鋼鉄製ヘルメット「ブロディー・ヘルメット」です。このヘルメットは、上空から落下する破片に対して優れた防御効果を発揮しました。
ごく一部の部隊には1915年末頃から試験的に配備されましたが、本格的な大量支給が実現したのが、1916年7月1日に始まったソンムの戦いでした。以降、ブロディー・ヘルメットはイギリス軍の標準装備として定着し、その改良型は第二次世界大戦を通じて長きにわたり使用され続けることとなりました。