旧石器時代(約260万年前~約1万年前)の人々は「狩猟採集民」と呼ばれ、農耕や牧畜を行うことなく、自然の中で直接食料を手に入れて暮らしていました。では、具体的にどのような方法で生計を立てていたのでしょうか。主な活動を詳しく見ていきましょう。
1. 狩猟――大型動物を追う男たちの仕事
男性たちは主に大型獣の狩りを担当していました。対象となったのは、マンモスやバイソン(野牛)、シカ、野生馬などの大型動物です。武器としては槍や銛(もり)、そして後期には弓矢が使われました。また、ウサギや鳥といった小動物も重要なタンパク源として日常的に捕獲されていました。
2. 採集――女性と子供が担った植物性食料の確保
女性や子供たちは、果物、木の実、ベリー類、根菜、葉物などの植物性食品を採集する役割を担っていました。さらに、貝類や軟体動物などの海産物も集め、食料の幅を広げていました。研究によれば、採集で得られる食料が日々のカロリーの大部分を占めていたと考えられています。
3. 漁労――水辺での食料獲得
川や湖、海の近くに住む人々は漁労にも従事していました。銛や釣り針、網などを駆使して魚やその他の水生動物を捕らえ、比較的安定したタンパク源としていました。
4. スカベンジング――死骸を利用した補助的な食料源
人々は時に、他の捕食動物が食べ残した獲物や、自然死した動物の死骸をあさることもありました。この行為は「スカベンジング」と呼ばれ、狩りが不調だったときの重要な栄養補給手段となっていました。
5. 移動生活――資源を求めて旅する遊動の暮らし
狩猟採集民は定住せず、食料や水などの資源の有無に応じて場所から場所へと移動する遊動生活を送っていました。住まいとしては洞窟や岩陰、枝と獣皮で作られた簡単な小屋などの一時的な住居が用いられました。
まとめ
農業が始まる前の旧石器時代、人々は狩猟・採集・漁労・スカベンジングという多様な方法で食料を確保し、資源に合わせて移動しながら生きていました。こうした柔軟な適応能力こそが、過酷な環境下で長い年月をかけて人類が生き延びてこられた秘密だと言えるでしょう。