考古学的発見

ウボンラーチャターニーのワット・バン・ナー・クワイ――歴史あるイサーン寺院の建築と壁画

ワット・バン・ナー・クワイ(Wat Ban Na Kwai)は、タイ東北部・ウボンラーチャターニー県に現存する活動中の寺院です。ラッタナコーシン期(チャクリー王朝期)に建立され、イサーン地方特有の民家建築の要素と中部タイの建築様式が融合した貴重なシム(聖堂)を有することで知られています。

立地と地形

一般状況

本寺院は現在も使用されており、ウボンラーチャターニー県北部、同市の自治体区域内に位置しています。周辺は起伏の少ない浅い波状平野で、ムーン川の支流であるラン・ムーン・ノイから北東へ約3キロメートル、フワイ・ワン・ノン(ムーン川の支流)から西へ約3キロメートル、またムーン川の北へ約4キロメートルの場所にあります。

海抜

平均海面上131メートル。

水路

ムーン川、フワイ・ワン・ノン、ラン・ムーン・ノイ。

時代区分

  • 考古学的時代区分:歴史時代
  • 時代/文化:ラッタナコーシン期
  • 考古学的年代:1867年
  • 伝承による年代:1782年頃
  • 遺跡の種類:宗教施設

寺院の沿革

ワット・バン・ナー・クワイはマハーニカーヤ派に属する寺院です。寺院の沿革によると、1867年に創建され、1877年と1995年の二度にわたりウィスンカームシーマー(正式な布薩堂の認可区域)が授けられました。ただし、正確な創建年を示す記録は残っていません。

一方、地元の言い伝えでは、この寺院はウボンラーチャターニーの街が開かれてまもなく建立されたと伝えられています。村人たちは水源(沼沢地)に近い農地を求めて移り住み、当初は十数戸の集落を形成しました。村としてのまとまりができると、村人たちは寺院を建てる場所を選んで「ワット・バン・ナー・クワイ」と名付け、僧侶の住居となる小屋を建てました。初代住職はルアンプー・デーンです。

その後、二代目住職のパー・アーチャン・ター――村人からは「ヤークータ」と親しまれた人物――が村人たちに働きかけ、幅11ソック1クエップ(約5.7メートル)の東向きのシム(布薩堂)の建設を実現しました。ヤークータ自身が工事の指揮を執り、労力のすべてを村人の奉仕に頼りました。基礎の建材は煉瓦と漆喰で、当時の漆喰は近くの水路に豊富にあった石灰質の材料を使用しており、白さこそ劣るものの品質は極めて優れていました。柱などの木材にはテーン材、マクレー材、レッドウッドなど地域産材が用いられ、屋根骨組みも木製、屋根板は「ペン・ムン」と呼ばれる木板で覆われました。建設には3~4年を要しましたが、完成した建物は現在まで大切に使い続けられています。

主要な文化財:シム(聖堂)

(パンティパー・スワンニー 2013:49–54)

構造と配置

シムは境内のほぼ中央に位置します。煉瓦と漆喰で造られた堅牢な建物で、平面は長方形の3室構成、幅5.5メートル、奥行9メートル、東向きです。昇降口は正面の一箇所だけで、手前には前廊(ポーチ)が付き、前柱は屋根構造を支える2本の丸木柱です。

前廊は腰掛け(背もたれ)で囲まれ、正面中央には昇口と階段が設けられています。シムの前方には隣接して小屋掛けが付け加えられています(イサーンの民家建築で「ゲー」と呼ばれるもの)。これは後の増築とみられ、女性は堂内に入らないという慣習を反映したものと考えられています。

台座と仏像

堂内には後壁に沿って長方形の壇(チュクチー台座)が設けられ、その上の煉瓦・漆喰造りの台座に仏像が安置されています。

台座はランサーン様式の鉢座・蓮華座を基本としながらも、簡素で素朴な意匠が特徴です。最下部は三段の切り出し台座、その上に逆蓮華、木製の胴部にはガラス珠の装飾、さらに上方には天蓋と低い蓮華が重なり、木柱を介さず壁を支える線で仕上げられています。各所の蓮華文様は、先端が外側へ華麗に翻る点が共通の特徴です。

壁面・窓・扉

シムの左右の壁面にはそれぞれ1つの窓が開けられ、窓枠は木製で花文様が彫刻されています。背面壁は完全に閉ざされた無窓です。前面壁の中央には木製の入口扉が1つあり、こちらにも花文様の彫刻が施されています。調査記録によれば、堂内の四面の壁と前面外壁には釈尊の生涯を描いた壁画が描かれていました。

壁画

外壁の絵画は、前廊の屋根際からシム扉の上半分にかけての範囲に描かれています。主に黒と黄色(ごく一部に緑)で描かれ、一部に褪色が見られます。扉の上方には6行にわたるタイ文字の銘文があり、絵画の間にも散在して書き込まれています。

屋根と装飾

屋根は一段の切妻造りで、当初は茅葺きまたは板葺きでしたが、現在は亀甲型の粘土瓦で葺き替えられています。屋根の勾配が緩やかな点には、中部タイ建築からの影響がうかがえます。

破風板(風除け板)はまっすぐな木板が切妻屋根に沿って伸びる形状で、鶏の羽をかたどった葉飾りで彩られています。

チョーファー(棟端飾り)または「ゴー」は中部タイ様式に倣った木彫りですが、先端の曲線がより華麗に反っており、繊細さと曲線美を重んじるラオス芸術特有の表現となっています。

破風(正面飾り)は木製の紋様枠組みで、東北部(イサーン)の伝統的家屋に広く見られる様式です。

破風の両脇には、左右それぞれ5本ずつ木製の「カンチャット」(傘杖飾り)が取り付けられています。長方形の細長い板状で、上下に線刻の蓮華文様が彫り込まれています。木製のカンチャットは、やや重厚な趣を湛えるイサーン民芸ならではの特色といえます。