考古学的発見

バン・タミャエ寺院 ― ラーンサーン様式の名残を伝えるウボンラーチャターニーの古刹

寺院の概要

バン・タミャエ寺院(ワット・バン・タミャエ)は、タイ東北部ウボンラーチャターニー県北部に位置する、現在も宗教活動が続けられている現役の寺院です。ラーイノイ小地区行政機構(オーボートー)の管轄区域に属し、標高約132メートルの緩やかに起伏する平野上に建っています。寺院周辺はコーラート層群の分布地域で、ムーン川の支流フワイ・ワンノーンから西へ約1.3キロメートル、ムーン川本流からは北へ約4.5キロメートル離れた場所にあります。

立地と自然環境

地形

周辺は起伏の少ない浅い波状平野が広がり、寺院はその緩やかな高まりの上に位置します。

水系

近隣の主要な水路は、ムーン川とその支流であるフワイ・ワンノーンです。

地質

当地域の地質は、コーラート層群プー・トック岩類に属する砂岩から構成されています。

歴史と建立年代

バン・タミャエ寺院は、マハーニカーヤ派に属する民衆寺院(ワット・ラート)です。創建の正確な記録は残されていませんが、聖堂(シモ)入口上部の外壁に刻まれた、タイ・ノーイ文字によるイーサーン語とパーリ語の混交文によると、この建物は1874年にヤクータ、ソムデット・チャダー、比丘サラネーン、そして在家信者たちによって完成しました。また、1990年にはウィスンカームシーマー(正式な聖界の指定)が授けられています。

シモ(聖堂)の建築的特徴

同寺最大の見どころとなる遺構が聖堂「シモ」です。レンガと漆喰で造られた小規模ながら堅固な建物で、平面は東向きの長方形、内部は3室に区切られています。

構造と基壇

前面には回廊式のテラスが巡らされていますが、正面中央だけが梯子を架けるための開口部となっており、ここが建物への唯一の出入り口です。屋根を支えるため、前方には丸太を用いた2本の柱が立っています。
基壇は「カーン」あるいは「ブア・ゴーン」と呼ばれる形式で、ラーンサーン(ランサン)様式の影響が認められます。ただし、その意匠は本場のランサン美術ほど精緻ではなく、地域独自の変化形と考えられています。下部基壇は三段に積み上げた板状の形式で、その上に軒状の基壇、ガラス玉を嵌め込んだ木製の胴部、仰蓮・伏蓮(木製部分を除く)、そして壁を受ける線が順に積み重なります。蓮弁の先端はいずれも外側へ反り返るのが大きな特徴です。

壁面と開口部

側面の壁には窓の位置ごとに穴が穿たれ、背面壁は開口部のない実壁です。正面壁には中央に一つの出入口があります。すべての窓と扉は木製で、文様こそないものの、花模様(上・中・下の三段構成)が彫り込まれています。
正面壁の扉枠上部(外側)にはタイ・ノーイ文字の銘文が刻まれており、これまでの専門家の研究により、これは本尊仏像とシモの造営者および造営年を記したものだと判明しています(Phanthipha Suwannee 2013: 41-48)。

屋根

屋根は切妻形式で、破風の端がわずかに反っており、ラオス美術との類似性が指摘されます。屋根材は素焼きの魚鱗瓦(うろこ瓦)で、当初は鱗形の瓦で覆われていたと伝えられます。

装飾要素

パン・ローム(懸魚):切妻屋根に沿って伸びる真っ直ぐな木板で、「リーチ」と呼ばれる形式(ラオス美術の影響)を採り、鶏形の飾り葉(中央タイの影響)で装飾されています。

ゴー(破風の突起):木彫で、中央タイ建築のチョーファーに似た文様を持ちますが、先端の曲線がより大きく反っている点が特徴です。

カンドーク(雁尾):階段の脇に見られ、蛇形に彫られた3枚の木板が据えられています。

破風板:木製の破風で、イーサーン地方特有の文様と同じ意匠です。

ハンナーオ(腕木):壁面を飾り、左右それぞれ5本ずつ設置されています。翼のある蛇(ナーガ)を象った木製の腕木で、前後にうねりながら、頭部は下方、尾は上方に配置され、尾はカーノック(炎形文様)で彫られています。体に沿って鰭が彫られ、下部には受け穴があります(Phanthipha Suwannee 2013: 41-48)。

内部とその他の特徴

このシモの内部には主尊仏を安置するチュークチー(仏台)はありません。また、内外の壁面には絵画が描かれておらず、装飾は上述のシモ正面外壁の銘文のみにとどまります。簡素ながらも、ラーンサーン様式とイーサーン地方の伝統工法が融合した貴重な建築遺産として、高い文化的価値を有しています。