考古学的発見

黒海の海底で発見された2400年前の難破船、驚異的な保存状態で見つかる

イギリスとブルガリアの研究者チームが、黒海の水深約2キロメートルの海底から、「ほぼ無傷」の状態で残る古代ギリシャの船を発見しました。

黒海の海底で発見された2400年前の難破船、驚異的な保存状態で見つかる

黒海の海底で見つかったこの船は、なんと2400年前のものです。

世界最古の「無傷」の難破船か

世界最古となる「無傷」(つまりほぼ完全な形)の難破船が、黒海の海底で発見されました。この発表を行ったのは、2018年10月23日、英ブルガリア合同の学術調査プロジェクトBlack Sea MAP(Maritime Archeology Project)です。発見された船は、その年代を考えると驚くほど良好な状態で保たれており、マストや舵まで残っています。紀元前400年頃に遡る古代ギリシャの交易船とみられ、黒海西部の水深約2キロメートルの地点で見つかりました。

「マストも舵もまだ残っている。お目にかかれるものではありません」

Black Sea MAPの調査チームは、3年間にわたり、ソナーと深海探査用カメラを搭載した遠隔操作型無人潜水機(ROV)を使用して、ブルガリア沖合2000平方キロメートル以上に及ぶ黒海の海底を調査してきました。プロジェクトに参加する考古学者ヘレン・ファー氏はBBCに対し、こう語りました。「これまでにもさらに古い時代の難破船の断片は発見してきましたが、今回のものはほぼ完全な姿を留めています。船は片側を下にして横たわり、マストも舵も残っている。そう簡単にお目にかかれるものではありません」

調査期間中、チームは古代からローマ時代、さらには17世紀に至るまでの60隻以上の難破船を発見しました。今回の新発見は、酸素をほとんど含まない深海域で行われたもので、同チームによれば、このような環境では「有機物を何千年もの間、保存し続けることができる」といいます。また、難破船は放射性炭素年代測定によって年代が特定されたことも明らかにされています。チームは2018年10月末に開催される会議で研究成果を発表し、学術誌への掲載も予定していると述べました。

偶然の産物として発見された難破船群

この研究は当初、海面変動と黒海地域の水没過程の解明を主な目的としていました。難破船群の発見は、この研究の「幸運な副産物」だとファー氏は付け加えています。この調査は、サウサンプトン大学(イギリス)と国立考古学博物館、さらにブルガリア科学アカデミーおよび同国水中考古学センターが共同で主導しました。

「2000年前の船が、しかも水深2キロメートルの海底で無傷のまま見つかるなどとは、思いもしませんでした」と語るのは、サウサンプトン大学海洋考古学センター所長で調査団のリーダーの一人であるジョン・アダムズ教授です。「この発見は、古代の造船技術や航海術に関する私たちの理解を大きく変えることになるでしょう」と同教授は声明の中で述べています。科学者たちによれば、この「古代ギリシャ型の交易船」は、これまで古代ギリシャの陶器に描かれた装飾でしか確認されていなかったといいます。

なお、この難破船の画像は、沈没船をあらゆる角度から撮影した水中ロボット(ROV)による何千枚もの高解像度写真をもとに、フォトグラメトリ(写真測量法)によって再構成されたものです。