アラン・プロシャンツの後任として、スイス出身の世界的聖書学者トーマス・レーマー教授が、名門コレージュ・ド・フランスの新管理者に就任しました。

コレージュ・ド・フランスの新管理者に就任したトーマス・レーマー教授
2019年9月1日付で、トーマス・レーマー教授はパリにあるコレージュ・ド・フランスの新管理者となりました。2007年から同校の「聖書的背景」講座の主任教授を務めるレーマー氏は、40年以上にわたり旧約聖書の文書研究に取り組んできた国際的に著名な研究者です。テキストの中で最も古い層を探し出して解読し、後世の加筆や修正を検出するとともに、記述間の矛盾点をも浮き彫りにするという、緻密な分析方法で知られています。
文献学的分析と考古学発掘の融合
「私は、聖書のテキストが、当時の歴史的・政治的・神学的・社会的状況に応じてどのように構築されたのかを読者に理解してもらうよう努めています」と、レーマー教授は語ります。彼は聖書を、他の重要な歴史文書とまったく同じ視点で向き合うのです。イスラエルのテルアビブ大学から名誉博士号を授与されており、2016年にはフランスの碑文・美文アカデミーの会員にも選ばれています。
さらに特筆すべきは、テキストの文献学的・文学的な分析だけでなく、考古学発掘にも積極的に参加している点です。発掘現場での知見は古代近東の歴史との対話を可能にし、聖書研究に新たな次元をもたらしています。
最近では、フランスの科学雑誌『Sciences et Avenir』がレーマー教授に同行し、エルサレム北西、アブ・ゴーシュ近郊にあるキリアト・イェアリム遺跡を取材しました。ユダの地を見下ろすこの丘は、伝説的な「契約の箱(アーク・オブ・ザ・カヴナント)」が20年間安置されていた可能性がある場所として注目されています。この調査の完全なルポは、同誌2019年1月号(第863号)に掲載されています。