考古学的発見

細菌に蝕まれた「イギリスのポンペイ」——メアリーローズ号難破船を救う新たな希望

1982年にイギリス海峡の海底から引き揚げられた、16世紀に沈んだイングランド王室艦隊の至宝「メアリーローズ号」。その難破船は、絶え間ない手入れにもかかわらず今、静かに死へ向かっている。しかし、X線トモグラフィーによる新たな発見——文化財研究では初となる試み——が、船体を蝕む細菌への治療法開発につながる可能性を秘めている。

細菌に蝕まれた「イギリスのポンペイ」——メアリーローズ号難破船を救う新たな希望

現在、ポーツマスのメアリーローズ博物館に展示されているメアリーローズ号の船体。同館は、1545年の沈没現場と対岸に位置する街にあり、船が引き揚げられたのはそれから400年以上後のことだった。

1545年7月19日、33年間にわたり忠実に任務を果たしてきた王立海軍の戦闘用カラック船「メアリーローズ号」は、ワイト島とイングランド本土を隔てるソレント海峡、サウスシー城の目の前で沈没した。要塞からこの惨事を目撃したヘンリー8世の眼前で、船は乗員のほぼ全員を深淵へと連れ去った。乗員の多くは、転倒した船上設備の下敷きとなって命を落としたという。沈没原因については今日も議論が続いている——フランスのガレー船隊との戦闘中に沈められたのか、それとも乗員の操船ミスによるものなのか。いずれにせよ、チューダー朝で最も物議を醸した君主にとって、この喪失は確かに苦い記憶として残った。メアリーローズ号は、彼のお気に入りの船だったのだ。

細菌に蝕まれた「イギリスのポンペイ」——メアリーローズ号難破船を救う新たな希望

1514年に海軍の艦船を一覧化した「アンソニー・ロール」による、現存する唯一の同時代のメアリーローズ号の図像。提供:ESFRおよびメアリーローズ・トラスト

ヘンリー8世が知ればさぞ喜んだだろう。4世紀後の1982年、専門家たちがメアリーローズ号を水底から引き揚げ、ポーツマス市内の同名の博物館に荘厳に展示することになったのだから。その老齢にしては驚くほど良好な保存状態を誇り、16世紀の数千点もの遺物をもたらしたことから「イギリスのポンペイ」と昵称されるこの船だが、陸に戻されて以来、絶え間ない注意を必要としている。過去40年間、科学者たちは保存処理を続けてきた。再利用した真水の散水(なんと10年間連続!)や、含水木材を安定させ、乾燥時の収縮を防ぐ化合物ポリエチレングリコール(PEG)の塗布などである。ところが、こうした予防策にもかかわらず、木材中の化学物質の酸化や劣化によって生じる酸が、小火のようにメアリーローズ号を蝕み続けている。イギリスで最も有名な難破船は、避けられない死を運命づけられているのだろうか?おそらく、そうではない。

細菌の「Googleマップ」を作成

2021年10月27日付の学術誌『Cell』に掲載された論文で、コペンハーゲン大学、コロンビア大学、そしてグルノーブルの欧州シンクロトロン放射光施設(ESRF)の歴史家、物理学者、化学者らからなる学際的な研究チームは、2020年にESRFで実施された船体の詳細な分析が、劣化への対抗を可能にすると報告した。多分解能X線トモグラフィー撮影——粒子加速器で生成される超高強度のX線の細いビームを対象に照射する技術——を用いて、専門家たちは、木材が亜鉛を含むナノ粒子で満たされており、これが長年にわたり劣化の一因となってきたことを突き止めた。「これまで、これらの化学種が正確には何なのか、また難破船のどこに存在するのか分かっていなかったのです」と、コロンビア大学の材料物理学者で論文共著者のサイモン・ビリング氏は語る。

細菌に蝕まれた「イギリスのポンペイ」——メアリーローズ号難破船を救う新たな希望

ポーツマスのメアリーローズ博物館に展示されているメアリーローズ号の船体。イギリス南部の沿岸都市。提供:メアリーローズ・トラスト

長い海没期間中、難破船は一部が海底面から突き出し、別の部分は泥の中に埋もれた状態になっていた。後者の部分こそ、酸素を欠く環境ゆえに有機物分解の働きから免れ、私たちのもとに届いたのである。「ところが、嫌気性細菌(酸素が有毒となる細菌)が、時に少量の鉄を含んだ硫化亜鉛のナノ粒子を残していたことが判明しました」とビリング氏は続ける。これは、木材が再び酸素と接触した瞬間に始まる劣化プロセスを理解するうえで不可欠なデータだ。トモグラフィーを駆使し、ビリング氏ら研究チームは、これらの堆積物の分布に基づいて細菌コロニーの位置を地図化することに成功した。「いわば、細菌の都市の小さな『Googleマップ』を作れたようなものです」と研究者は例える。

度重なる救出作戦
メアリーローズ号の引き揚げは歴史上何度も試みられており、最初の試みは沈没からわずか数日後に始まった。しかし、船体の傾斜角度と粘土質の海底の厚さが障害となり、作戦は毎回徒労に終わった。結局、メアリーローズ号は沈んだ場所に放置され、人々の記憶の中だけを航行することとなった。当時の文献によれば、17世紀頃まで干潮時には水面から船体が突き出しているのが見えたという。

19世紀半ばにダイバーによって再発見された際には、残念ながら損傷を受けてしまったが、考古学者による本格的な発掘が行われたのは、その位置が特定された1971年になってからだった。その後10年間で、500人以上のダイバーと研究者が船を調査し、航海用具、武器、樽、楽器、薬品など、船内に眠る数千点の遺物を一つひとつ取り出していった。そして1982年、ついに専門家チームが最後の危険な救出作戦を実行した。それは今なお海洋考古学史において最も費用がかかり、最も野心的な作戦の一つとされている。半分以上が無傷のまま残っていた船体は吊り上げられ、ドライドックに収容された。しかし、ここからが本当の苦闘の始まりだった。泥と塩の温かい浴槽から引き上げた木材を、粉々に崩れないよう守り抜かなければならなかったのだ。

磁石か、安定剤か——保存戦略の分岐点

現在の木材は、木食性細菌が生息するには乾燥しすぎているが、これらの微小な硫化亜鉛の堆積物は、管理された環境下でも空気や周囲の湿度に化学的に反応し続けている。「酸が木材を攻撃し、構造的な損傷を引き起こすことはよく知られています」と、グルノーブルのシンクロトロンで船のサンプルを分析したESRFの材料専門家ギャヴィン・ヴォーン氏は説明する。「それだけではありません。安定剤として機能するはずのポリエチレングリコール自体が、木材と反応し始めていることが分かり、私たちも驚きました。PEGは分解して酸を形成し、今度は船体の機械的強度を脅かしつつあるのです」。亜鉛ナノ粒子に続き、見逃せない新たな敵の出現である。

細菌に蝕まれた「イギリスのポンペイ」——メアリーローズ号難破船を救う新たな希望

左からギャヴィン・ヴォーン氏、右からマルコ・ディ・ミケル氏。メアリーローズ号のサンプルを調査したESRFの物理学者たち。提供:Cande/ESRF

今や研究者たちは、船の劣化を食い止めるための手札を手にしている。「現在の状態——構造的にも化学的にも——を理解できたことで、さまざまな保存戦略を開発できるようになりました」と、メアリーローズ・トラストの保存・収蔵部門責任者を務める化学者エレナー・スクーフィールド氏は語る。その一つは、多くの粒子に含まれる鉄が磁性を持っているという事実に基づくものだ。「磁石を使って、木材から粒子を取り出すことも考えられます」とヴォーン氏は詳述する。ただし彼自身は、「全体を安定させる化合物を見つけること」の方に大きな希望を託しているという。

文化財研究の新たな道を切り開く

一方、ESRFでの分析は興味深い副次的発見ももたらした。それは、起源がまだ確定していない鉛と金の痕跡である。研究者たちによれば、これらは第二次世界大戦中に、はるかに後の時代に付着した可能性があるという。当時、ポーツマスの造兵廠は激しい爆撃の標的となり、ソレント海峡の水域に鉛、水銀、さらにはカドミウムが沈着したことが知られている。これらの物質も、将来の難破船保存において考慮すべき要素となるだろう。広く見れば、X線分析を通じて収集されたデータは、メアリーローズ号に関連するあらゆる遺物——これまで詳細な化学的分析の対象となったことのない煉瓦、皮革、織物などの工芸品——を可能な限り長く保存するうえで、決定的な役割を果たすはずだ。

「収集された粒子ごとの情報の観点からも、文化財へのX線トモグラフィーの適用という観点からも、私たちの結論は世界中の類似プロジェクトに通じるものであると断言してよいと思います。今回の適用は世界初の試みでした」と、スクーフィールド氏は締めくくる。そう聞くと、タイタニック号の難破船にも思いを馳せずにはいられない。同じく細菌に蝕まれているタイタニック号は、今後わずか20年以内にその姿を消してしまうかもしれないのだ……。