アーサー・ミラーの戯曲『るつぼ(The Crucible)』において、別の町からセーラムにやって来て悪魔や魔女を探す人物は、ジョン・ヘイル牧師(Reverend John Hale)です。
ジョン・ヘイル牧師とはどんな人物?
ヘイル牧師は、セーラムの近郊にあるビバリー(Beverly)という町から招かれた、高名な学者にして牧師です。悪魔論の専門家として知られ、知識欲が旺盛で真面目な性格の持ち主として描かれています。
物語の冒頭、サミュエル・パリス牧師の娘ベティが原因不明の病に倒れたことを受け、パリス牧師は魔術(魔女)の仕業ではないかと疑い、ヘイル牧師に調査を依頼します。これを受けてヘイル牧師は、分厚い書物を携えてセーラムの町へとやって来ます。
劇中でのヘイル牧師の変化
当初、ヘイル牧師は魔女の存在を固く信じ、調査に真摯に取り組みます。しかし、裁判が進むにつれて、告発の多くが虚偽であることや、法廷における不正義に気づき始めます。
終盤では、無実の人々が処刑されようとする中で彼らに自白を勧めて命を救おうと懸命に説得するなど、劇中で最も大きく変貌を遂げる人物の一人となっています。
『るつぼ』という作品について
『るつぼ』は、1692年に実際に起きたセーラム魔女裁判を題材とした戯曲で、1953年に初演されました。集団ヒステリーと狂気がもたらす悲劇を描いたこの作品は、当時のマッカーシズム(赤狩り)への批判として書かれたことでも知られています。