リンゴが落ちた木はイギリスに今も存在する
アイザック・ニュートンがリンゴを見て万有引力のひらめきを得たとされる場所は、イギリス・リンカーンシャー州の小さな村ウールズソープにある「ウールズソープ・マナー(Woolsthorpe Manor)」です。ここは1642年にニュートンが生まれた生家であり、果樹園にはあの伝説のリンゴの木とされる一本が今も立っています。木のそばには大きな石板が設置され、訪れる人々にこの歴史的な逸話を伝えています。
1666年、故郷での大発見
1665年から1666年にかけてペストが流行しケンブリッジ大学が閉鎖されたため、ニュートンは故郷のウールズソープ・マナーへ戻っていました。この時期は後に「奇跡の年」と呼ばれ、彼は光学や微積分など数々の研究を進めていました。
そんなある日、果樹園でリンゴが地面に落ちるのを目撃したことがきっかけとなり、「リンゴを落とす力は、月を軌道に留めている力と同じではないか」という着想を得たと伝えられています。こうして生まれたのが、宇宙のすべての物体が互いに引き合うことを示す「万有引力」の理論です。なお、リンゴが頭に直撃したという有名な場面は、後世に加えられた脚色であると言われています。
約400年経っても実をつける「フラワー・オブ・ケント」
このリンゴの木は樹齢400年近くになるとされながらも、今なお毎年実をつける驚くべき生命力を持っています。品種は「フラワー・オブ・ケント(Flower of Kent)」と呼ばれる料理用リンゴで、食用としてはやや酸味が強い品種です。1816年の嵐で倒れたものの、そのまま根を下ろして成長を続けたことでも知られています。
ウールズソープ・マナーは現在ナショナル・トラストによって管理されており、一般公開も行われています。また、この木から接ぎ木された子孫はケンブリッジ大学をはじめ世界中の大学や研究機関に贈られ、「科学の原点」の象徴として大切に育てられています。