考古学的発見

エジプト最古の階段ピラミッドはどのように建設されたのか?―ジョセル王のピラミッドの秘密

ジョセル王の階段ピラミッドとは

エジプト最古のピラミッドとされるジョセル王の階段ピラミッド(ステップピラミッド)は、紀元前27世紀、古代エジプト第3王朝の時代に建造されました。ジョセル王のために建てられたこの記念碑的建造物を設計したのは、王に仕えた建築家イムホテプです。イムホテプは「歴史上最初の建築家」とも称され、後世には知恵の神として崇拝されるほどの人物でした。

立地と規模

階段ピラミッドは、カイロの南約20キロメートルにあるサッカラに位置しています。基壇は一辺約125メートル(410フィート)の正方形に近い形状で、高さは約62メートル(204フィート)に達します。建材には、近隣の採石場から切り出された石灰岩のブロックが使用されました。

6段階で築かれた階段状の構造

このピラミッドは6つの段階を経て建設されました。当初は「マスタバ」と呼ばれる平屋根の長方形の墓でしたが、その上に何層もの石灰岩ブロックを重ねることで、次第に階段状のシルエットが形成されていきました。こうして、それまでの低い墳墓から、空へ向かって伸びる人類初の巨大な石造建築が誕生したのです。

建設工程を5つのステップで解説

1. 石灰岩ブロックの採石

まず、近隣の採石場から石灰岩のブロックを採石しました。切り出されたブロックは、そりやナイル川の船を使って建設現場まで運ばれたと考えられています。

2. マスタバの建造

最初の段階では、平屋根を持つ長方形の墓「マスタバ」が建設されました。石灰岩のブロックを水平な層ごとに積み上げていく手法が用いられました。

3. 層の積み重ね

続く段階では、既存のマスタバの上にさらに石灰岩の層を追加していきました。各段階で新たな層が加わることで、特徴的な階段状の構造が完成していきました。

4. 仕上げの工事

最終段階では、頂部に先端の尖ったキャップストーン(頂石)が据え付けられ、ピラミッドとしての姿が整えられました。

5. 外装の装飾

ピラミッドの外装や周辺の葬祭複合施設には、ジョセル王や重要な人物たちを描いたヒエログリフや浮き彫りの装飾が施されました。

ピラミッド建築史における意義

ジョセル王の階段ピラミッドは、建築史における画期的な達成であり、ピラミッド建設技術の発展における大きな転換点となりました。ここで確立された設計思想や施工技術は、その後のより大型で複雑なピラミッド、すなわちギザの三大ピラミッドの建設へと受け継がれていったのです。