1884年にアメリカで鋳造された1ドル銀貨は、「モルガンダラー」として親しまれるシリーズの一枚です。1878年から1921年にかけて発行されたこの大型銀貨は、荘厳なデザインと高純度の銀含有量を兼ね備え、世界中のコイン収集家から高い人気を誇っています。ここでは、1884年1ドル銀貨のデザインや技術仕様について詳しく解説します。
表面(オバース)のデザイン
表面には、頭に「LIBERTY(自由)」の文字が刻まれた冠を着けた自由の女神の胸像が左向きに描かれています。周囲には建国当初の13州を象徴する13個の星が配置され、クラシカルで格調高い印象を与えています。
このデザインを手掛けたのは、イギリス出身の彫刻家ジョージ・T・モルガン氏です。彼の名前にちなみ、このシリーズは「モルガンダラー」と呼ばれています。
裏面(リバース)のデザイン
裏面には、岩の上に止まり翼を大きく広げたワシが描かれています。ワシの下には額面を示す「ONE DOLLAR」の文字が配され、底部には発行年である「1884」の年号が刻まれています。力強くも優雅なワシの姿は、モルガンダラーならではの魅力のひとつです。裏面のデザインも同様にジョージ・T・モルガン氏によるものです。
縁(エッジ)の加工
縁には「リード(Reeded)」と呼ばれる細かいギザギザ状の溝加工が施されています。これはかつて貴金属貨幣の地金削り取りを防ぐために考案された手法で、モルガンダラーにも受け継がれています。
技術仕様
- 直径:26.5mm
- 厚み:2.15mm
- 重量:26.73g
- 素材:銀90%、銅10%
銀90%という組成は、当時のアメリカ標準銀貨の規格に沿ったもので、総重量26.73gのうち約24gが純銀に相当する、大変贅沢な作りとなっています。
ミントマークと発行数
1884年1ドル銀貨は複数の造幣局で鋳造されており、ミントマークによって見分けることができます。
- フィラデルフィア造幣局(ミントマークなし):約14,070,000枚
- ニューオーリンズ造幣局(O):約9,730,000枚
- サンフランシスコ造幣局(S):約3,000,000枚
- カーソンシティ造幣局(CC):約1,136,000枚
なかでも「CC」ミントマークが入ったカーソンシティ版は発行数が少なく希少性が高いため、収集市場で特に高い人気を誇ります。状態(グレード)によって価格が大きく変動するため、購入の際は鑑定書付きのコインを選ぶのがおすすめです。
まとめ
1884年1ドル銀貨は、自由の女神とワシというアメリカらしい意匠、そして銀90%の重厚な品質を持つ、モルガンダラー史上でも代表的な年号のひとつです。歴史的価値と美しさを兼ね備えたこの銀貨は、初心者からベテランまで幅広い収集家にとって魅力的なコレクション対象といえるでしょう。