冥界の神が身につけて透明になれる魔法の道具――それは「闇の兜(ヘルメット)」です。この不思議な兜について、詳しく見ていきましょう。
プルートーはギリシャ神話ではなくローマ神話の神
まず重要な点として、プルートー(Pluto)はローマ神話の神であり、ギリシャ神話の神ではありません。よく混同されますが、ギリシャ神話における冥界の神にあたるのはハデス(Hades)です。ローマ人はギリシャ神話を取り入れる際、ハデスに相当する神を「プルートー」と呼びました。プルートーという名前は、富を意味するラテン語「プレトス(plutos)」に由来するとされ、大地から湧き出る鉱物や豊穣をもたらす存在として捉えられていました。
透明になれる「闇の兜」とは?
冥界の神が身につけて姿を消すことができたのは、暗闇で作られた兜(ヘルメット・オブ・ダークネス)です。この兜は英語で「Helm of Darkness(闇の兜)」や「Cap of Invisibility(隠れ帽)」と呼ばれ、身につけた者を見えなくする魔法の力を持っていました。
兜の起源と神話での活躍
この魔法の兜は、単眼の巨人族キュクロプスによって鍛えられたと伝えられています。神々と巨人族ティタンとの大戦争「ティタノマキア」の際、キュクロプスはゼウスに雷光、ポセイドンに三叉戟を贈りましたが、ハデスにはこの隠形の兜を授けました。
兜の力はハデスだけのものではなく、他の英雄たちも借りて使ったとされています。有名な例では、メドゥーサ退治に出発する前に、ペルセウスがこの兜を借りて姿を消し、怪物に気づかれずに接近することに成功しました。
まとめ
冥界の神プルートー(ギリシャ神話ではハデス)が透明になるために身につけていたのは、闇の兜でした。キュクロプスが鍛えたこの魔法の兜は、神話の中で最も強力な宝物の一つとして語り継がれています。