環境に合わせて使い分けられた多様な建築材料
狩猟採集民は、暮らしていた土地の環境に応じて、さまざまな自然の材料を活用して住居(避難所)を作っていました。定住せず移動を繰り返す生活様式の中で、手に入りやすく、組み立てや撤去がしやすい材料が選ばれていたのです。ここでは、代表的な7つの材料を紹介します。
1. 枝と葉
最も手に入りやすい材料で、簡単な傾斜型の小屋(リーントゥ)から、より複雑な構造の小屋まで、幅広い住居の建造に使われました。
2. 動物の皮
テント状の住居を作ったり、骨組みで作った住居の外側を覆う防水材として利用されました。寒冷地では保温性の高い住居を実現する重要な素材でした。
3. 草
屋根を葺く茅(かや)として使われたほか、床に敷くマットや寝具の材料にもなりました。断熱性があり、雨風をしのぐのに適していました。
4. 樹皮
軽量ながら耐水性があるため、屋根や壁の材料として重宝されました。特に森林地帯では主要な建材の一つでした。
5. 泥と粘土
日干しレンガによる建築や、「ワトル・アンド・ドーブ」と呼ばれる工法に使われました。これは木の枝で組んだ骨組みの隙間に泥と粘土を塗り込んで壁を作る方法です。
6. 石
洞窟や岩陰の居住、あるいは石積みによる構造物など、より恒久的な住居を作る際に利用されました。気候の厳しい地域では保護性能の高い選択肢でした。
7. 木
住居の骨組みを作る中心的な材料であるだけでなく、家具や日常的な道具の製作にも広く使われました。
材料の選択を左右したもの
どの材料を使うかは、地域の気候、その場で入手できる資源の種類、そして各狩猟採集グループが持つ文化的な伝統や技術によって大きく異なりました。つまり狩猟採集民の住居は、限られた資源を最大限に活かした、環境への深い知識と適応力の結晶だったと言えるでしょう。