ロゼッタストーンとは
ロゼッタストーン(Rosetta Stone)は、紀元前196年に発布された勅令が3つの異なる文字で刻まれた、黒色の花崗閃緑岩製の石碑です。1799年、ナポレオンのエジプト遠征中に、ナイル川デルタの町ロゼッタ(現在のラシード)近郊でフランス軍によって発見されました。
石碑には同じ内容の勅令が以下の3つの文字で記されています。
・上部:古代エジプトのヒエログリフ(神聖文字)
・中部:デモティック(民衆文字)と呼ばれる古代エジプトの筆記体文字
・下部:古代ギリシャ文字
このうち古代ギリシャ語の部分は当時の学者たちにも読むことができたため、同一内容の文章を突き合わせることで、それまで誰にも解読できなかったヒエログリフやデモティック文字の謎を解く鍵となりました。現在、ロゼッタストーンはロンドンの大英博物館に所蔵され、同館最大の見どころの一つとなっています。
ジャン=フランソワ・シャンポリオンとは
ジャン=フランソワ・シャンポリオン(Jean-François Champollion)は、ロゼッタストーンの謎を解き明かしたフランスの言語学者・エジプト学者です。古代エジプト学の基礎を築いた人物として、「エジプト学の父」と称されています。
生涯と業績
・1790年12月23日:フランスのフィジャックに生まれる。幼い頃から語学に強い関心を示し、アラビア語、ペルシャ語、コプト語などを学んだ。
・1806年:コプト語文法に関する先駆的な研究を発表し、その才能を注目される。
・1822年:ロゼッタストーンの研究をもとにヒエログリフの解読に成功。「エジプト学の父」として名声を確立した。
シャンポリオンは、ヒエログリフが単なる象形文字ではなく、音声を表す記号も含んでいることを突き止めました。この発見により、古代エジプトの文献や碑文を読み解く道が開かれ、近代エジプト学の出発点となりました。
しかし、その活躍は短く、シャンポリオンは1832年3月4日、41歳という若さでこの世を去りました。それでも彼が残した業績は、今日のエジプト学研究の礎として受け継がれています。