考古学的発見

エジプトのピラミッドは赤い砂岩を削り出して造られた?実際の建材と産地の真実

「エジプトのピラミッドは赤い砂岩を削り出して造られたのでは?」という疑問を持つ方は少なくありません。しかし、これはよくある誤解です。実は、エジプトのピラミッドは赤い砂岩から削り出されたものではなく、石灰岩と花崗岩(みかげ石)のブロックを積み上げて建設された構造物です。

ピラミッドに使われた主な建材

ギザの三大ピラミッドをはじめとするエジプトのピラミッドには、主に以下の石材が使われています。

1. 石灰岩(コアブロック)

ピラミッド本体の大部分を占めるのは、地元で採掘された石灰岩です。ギザ台地の近郊にある採石場から切り出された石灰岩のブロックが、ピラミッドの芯材として積まれました。

2. 質の高い白い石灰岩(化粧石)

ピラミッドの外側を覆っていたのは、ナイル川東岸のトゥーラ(Tura)採石場で採掘された、きめ細かく真っ白な上質石灰岩でした。この化粧石によって、完成当時のピラミッドは太陽光を反射して輝いて見えたと考えられています。現在でもカフラー王のピラミッド頂部付近に、この化粧石の名残を見ることができます。

3. 花崗岩

王の間(王墓の部屋)など、特に重要な内部構造には、アスワン(Aswan)から約900キロメートル離れた場所までナイル川を運ばれた硬質の花崗岩が使用されました。巨大な花崗岩の梁や壁石は、ピラミッド内部を支える重要な役割を果たしています。

「削り出し」ではなく「積み上げ」による建造

もう一つ重要なポイントは、ピラミッドが巨大な岩塊を彫刻のように「削り出して」造られたものではないという点です。ピラミッドは、採石場で切り出した数百万個もの石ブロックを、そりや船を使って運搬し、傾斜路などを利用して一つずつ積み上げていくことで建設されました。

例えばクフ王の大ピラミッドには、推定230万個以上の石ブロックが使われたとされており、その平均重量は約2.5トンにも及びます。古代エジプト人の卓越した組織力と建築技術を物語る事実といえるでしょう。

まとめ

エジプトのピラミッドは赤い砂岩から削り出されたものではなく、石灰岩と花崗岩のブロックを積み上げて造られた建造物です。主要な建材の産地は以下の通りです。

  • コアブロック:ギザ周辺の石灰岩採石場
  • 化粧石:トゥーラの白い石灰岩
  • 内部構造:アスワンの花崗岩

4,500年の時を超えて今も立ち続けるピラミッド。その姿を支えているのは、赤い砂岩ではなく、古代エジプト人が厳選した石材と驚異的な建設技術なのです。