考古学的発見

最初のパンツはいつ発明されたのか?その起源と世界への広まり

「最初のパンツが発明されたのはいつか」という問いには、実は一つの誤解が含まれています。古代において、現代のような「左右に分かれた脚を覆う衣服」としてのパンツという概念は存在しなかったのです。

古代人の服装はローブや腰布だった

初期の人類が身につけていたのは、ローブ(長衣)、チュニック、そして腰に巻くふんどし状の腰布など、上半身と下半身をひと続きで覆うタイプの衣服でした。エジプトやメソポタミアなどの古代文明でも、人々は主にこうしたゆったりとした衣装を着用しており、脚を個別に包むスタイルは一般的ではありませんでした。

パンツの原型は中央アジアで誕生

パンツに似た衣服の起源は、紀元前6世紀ごろの中央アジアにさかのぼるとされています。遊牧民たちが馬に乗る際、動きやすさを求めて生まれたのが始まりだと言われています。実際、中国・新疆ウイグル自治区の洋海(ヤンハイ)古墓群からは、約3,000年以上前とされる世界最古級のズボンが出土しており、騎乗との深い関係がうかがえます。

世界中に広まるまでに数百年の時を要した

ただし、こうしたズボン型の衣服が各地で受け入れられるまでには、何百年もの歳月が必要でした。ヨーロッパでは当初、ローマ人がズボンを「野蛮人の服」とみなしていた時期もありましたが、ゲルマン民族の影響や実用性の高さから、次第に定着していきました。やがて中世以降、ズボンは労働服から軍装へ、さらに近代には庶民の日常着として世界中に普及することになります。

このように、パンツの歴史は「いつ発明されたか」という単純な答えではなく、馬上の生活から始まり、文化や時代を超えて徐々に進化してきた長い物語なのです。