
マハーラーシュトラでの民衆啓発活動を終えたばかりのサルダール・パテルのもとに、チャクラヴァルティ・ラージャーゴーパーラーチャーリー(通称ラージャージー)から招待状が届いた。それは、ヴェーダーラニヤムで開催されるタミル・ナードゥ政治会議の議長を務めてほしいという依頼だった。パテルはいつものように辞退を申し出たが、ラージャージーは直ちにガンディーに連絡を取った。ガンディーは今回も同じ指示を出し、こうなるとヴァッラブバーイーも断るわけにはいかず、タミル・ナードゥへ向かうことになった。
バラモンと非バラモンの対立を前に
当時のタミル・ナードゥでは、バラモンと非バラモンの対立が頂点に達していた。ラージャージーはパテルに、この深刻な社会問題について何とか働きかけてほしいと要請した。
会議の場でパテルは人々にこう訴えた。「スローガンを掲げたり決議を採択したりするだけでは、何も変わりはしない。具体的で建設的な活動に取り組み、不正義との闘いの道を歩むのだ」
村々を巡る説得の旅
会議の後、パテルはタミル・ナードゥの村々を広範囲にわたって巡り、バラモンと非バラモン、双方の人々と直接対話を行った。非バラモンの人々に対しては、こう問いかけた。「バラモンがあなた方をそんなに苦しめているのか? 五千マイルも離れた土地からやって来て、あなた方を支配している英国人のように? 彼らはよそ者だというのに、バラモンも非バラモンも、なぜあんなに崇拝するのか!」
さらにこう続けた。「バラモンがどれほど偉いというのか。最も偉いのは、食料を生産し、他者に食べ物を与える者だ。それならなぜ、バラモンを高く見て、自分自身を低く見るのか」
一方、バラモンたちに対しても「すべての人を平等に扱うべきだ」と説いた。「社会が団結しなければ、外国の支配者の統治を終わらせることはできない」。サルダールの言葉の力は絶大で、その言葉はバラモン・非バラモン双方の人々の心に深く響き、両者の間のわだかまりは次第に薄れていった。
カルナータカでの農民への呼びかけ
サルダールがまだタミル・ナードゥに滞在しているとき、ガンガーダッラーオー・デーシュパンデーから、カルナータカを2日間訪ねてほしいという招待が届いた。サルダールはこの招待を受け入れた。ガンガーダッラーオーは、カルナータカで農民の組織をつくり上げようとしていたのだ。
サルダール・パテルはわずか2日間で10回もの大規模な大衆集会で演説し、農民たちに「恐れることなく、組織として立ち上がれ」と奮起を促した。そしてこう説明した。「誰も恐れる必要はない。役人でもなく、警察でもなく、牢獄でもなく、権力への執着でもなく、拷問でもない。これらすべての困難は、組織化され、恐れを知らない者なら乗り越えられる」と。さらに外国製品のボイコットも呼びかけた。
ティラクの面影
サルダールが農民たちに演説していたとき、ガンガーダッラーオーは、まるでバール・ガンガーダル・ティラク本人が話しているかのような錯覚にとらわれた。声の同じ響き、瞳に宿る同じ怒り。マハーデーヴバーイーもまた、サルダールについて「その声にはバール・ガンガーダルのこだまが聞こえる」と書き残している。二人の身振りにも似たところがある。外見はどちらも厳しく硬質に見えるが、その内面は同じように温かく柔らかいのである。