歴史上の人物

ジョゼフ・ボナパルト(1768年~1844年)―ナポレオンの長兄にしてナポリ王・スペイン王

ジョゼフ・ボナパルト(1768年~1844年)―ナポレオンの長兄にしてナポリ王・スペイン王

ジョゼフ・ボナパルト(Joseph Bonaparte、1768年1月7日 – 1844年7月28日)は、フランス皇帝ナポレオン1世の長兄であり、外交官、そして君主として知られる人物です。弟ナポレオンの台頭とともに歴史の表舞台に立った彼は、数々の重要な国際条約に署名し、やがて二つの王国の王冠を戴くことになりました。

外交官としての活躍――三大合意への署名

弁護士としてのキャリアを経て外交の道に進んだジョゼフは、革命期から執政政府期にかけて要職を務めました。彼の名声を特に高めたのは、次の三つの重要な合意への署名です。

  • リュネヴィル条約(1801年):第二次対仏大同盟から離脱したオーストリアとの間で結ばれた講和条約。
  • アミアンの和約(1802年):宿敵イギリスとの間に一時的な平和をもたらした条約。
  • コンコルダート(1801年):ローマ教皇ピウス7世との間で交わされた政教条約。

ナポリ王からスペイン王へ

1806年、弟ナポレオンはジョゼフをナポリ王(在位:1806年–1808年)に据えました。続いて1808年には、スペインの王位継承問題に端を発する政治的混乱の中で、今度はスペイン王ホセ1世(在位:1808年–1813年)として即位します。しかし、スペインでは住民の反発によるゲリラ戦争(半島戦争)が激化し、統治は困難を極めました。1813年、ウェリントン率いる英・西・葡連合軍がビトリアの戦いで勝利を収めると、ジョゼフは王位を放棄してフランスへ撤退せざるを得なくなりました。

王政復古後の亡命生活

1814年のナポレオン失脚とブルボン朝の復古(王政復古)により、ジョゼフはフランスを去ることを余儀なくされました。以降は国外での亡命生活を送り、一時はアメリカ合衆国ニュージャージー州に移り住んだことでも知られています。晩年はヨーロッパへ戻り、1844年にフィレンツェでこの世を去りました。