アウグスト・カルディッチ・ロアルテ(Augusto Cardich Loarte)は、1924年4月22日、ペルーのワヌコ県ラ・ウニオン州に生まれました。故郷の第391学校で初等教育を受けた後、首都リマへ移り、サン・アグスティン校で中等教育を修了しました。その後アルゼンチンへ渡り、ラ・プラタ国立大学で農業技師(農学エンジニア)の資格を取得。同大学理学部では、後に「考古学研究技法」講座の教授を務めています。
主な業績
カルディッチはペルー中部高地において探検調査を行い、マラニョン川、ワヤガ川、そしてアマゾン川の源流の特定に貢献しました。
中でも最も有名な業績は、いわゆる「ラウリコチャ人(Lauricocha man)」の発見です。これは、ワヌコ県ドス・デ・マヨ州に位置する一連の洞窟群、すなわち「マラニョン川=アマゾン川の水源地帯」で見つかったもので、約1万年前にさかのぼる高地アンデス狩猟民の生活の痕跡でした。この発見により、アンデス地域における先史時代の人類の存在と年代が大きく書き換えられることになりました。
同時に、カルディッチはラウリコチャ周辺における岩絵(洞窟壁画)の一群も発見しています。これらの岩絵には、ラクダ科動物(ビクーニャやグアナコなど)を狩る典型的な場面が描かれており、当時の人々の生活様式を知る貴重な資料となっています。
主な著作
カルディッチの出版物には以下のようなものがあります。
- 『ラウリコチャ遺跡』(Los yacimientos de Lauricocha)
- 『ペルー先史時代の新解釈』(Nuevas interpretaciones de la prehistoria peruana)(1958年)。後に増補され、『ラウリコチャ――中央アンデス先史時代の基礎』(Lauricocha. Fundamentos para una prehistoria de los Andes centrales)(1964年)として刊行され、1965年に国家歴史研究賞を受賞しました。
- 「ペルー・アンデスにおける先史時代の調査」(El Perú Antiguo: Espacio y tiempo所収、1960年)
- 「ランラカンチャ――パスコ県の土器以前の遺跡」(Acta Praehistorica、1962年)
- 「ペルー先史時代とその年代的深度」(リマ地理学会紀要、1963年)
- 「南米先史時代の解釈に向けて」(Anales de Arqueología y Etnología、1971年)
- 「ウアルゴ洞窟の発掘」(Revista del Museo Nacional、1973年)
- 「ラウリコチャの農耕民と牧畜民、および栽培の上限」(Revista del Museo Nacional、1975年)
- 「アンデスにおける人間と文化の起源」(Historia del Perú所収、1980年)
受賞と栄誉
1988年にはペルー政府から「パルマス・マヒストラレス(Palmas Magistrales)」勲章を授与されました。さらに1990年には、ラ・プラタ国立大学(UNLP)から同学の最高位である名誉教授(Profesor Emérito)の称号を贈られています。また、イギリスのケンブリッジ伝記センター(Cambridge Biographical Centre)により、「2001年国際科学者(International Scientist of the Year 2001)」の称号でも表彰されました。