ベトナム戦争(1955年〜1975年)は、第二次世界大戦後のアメリカにとって最も長く、最も激しい戦争の一つとなりました。5万8千人を超えるアメリカ人兵士が命を落とし、その中には前線で部隊を直接指揮する高位の将官も含まれていました。本記事では、ベトナム戦争で戦死または殉職したことが確認されている主な将官を紹介します。
アメリカ軍で戦死した将官
陸軍
- キース・L・ウェア(Keith L. Ware)陸軍少将:1968年9月13日、ロクニン付近での作戦中に搭乗していたヘリコプターが撃墜され、戦死しました。第二次世界大戦で名誉勲章を受章した経歴を持つ、部下から深く信頼された指揮官でした。
- ジョージ・W・ケーシー(George W. Casey Sr.)陸軍少将:1970年7月7日、カムラン湾方面への飛行中にヘリコプター事故で殉職しました。息子のジョージ・W・ケーシー・ジュニアは、後に米陸軍参謀総長を務めています。
- ウィリアム・R・ボンド(William R. Bond)陸軍准将:第199歩兵旅団長として勤務中の1970年4月1日、前線視察中に敵の狙撃を受け、戦死しました。
海兵隊
- ブルーノ・A・ホッホムス(Bruno A. Hochmuth)海兵隊少将:1967年11月14日、フエ近郊の上空でヘリコプターが爆発し、殉職しました。ベトナム戦争で亡くなった最高位の海兵隊将官として知られています。
海軍・空軍
- ロバート・F・ウォーリー(Robert F. Worley)空軍少将:1968年7月23日、偵察飛行中に乗機が撃墜され、戦死しました。
- レンブラント・C・ロビンスン(Rembrandt C. Robinson)海軍少将:1972年5月8日、夜間の任務中にヘリコプター墜落事故で殉職しました。
南ベトナム軍(ARVN)の将官
南ベトナム軍においても、多くの高級将校が戦場に命を捧げました。
- ドー・カー・チー(Đỗ Cao Trí)中将:パラシュート部隊出身の勇将として知られ、第3軍団司令官在任中の1971年2月20日、ラオス国境作戦へ向かう途中のヘリコプター墜落事故で死亡しました。
- グエン・ヴィエット・タイン(Nguyễn Việt Thành)少将:第4軍団司令官として、1971年1月3日に戦闘で戦死しました。
- レ・ヴァン・フン(Lê Văn Hưng)少将、グエン・コア・ナム(Nguyễn Khoa Nam)少将、ファム・ヴァン・フー(Phạm Văn Phú)少将らは、1975年4月30日のサイゴン陥落の際に自らの命を絶ったことで知られています。
北ベトナム人民軍について
一方、北ベトナム側の将官の戦死者に関する公式記録は限られており、詳細が明らかになっていない部分も多くあります。戦争期間中および終戦前後に亡くなった北ベトナム軍幹部については、現在も研究・検証が続けられているのが実情です。
まとめ
ベトナム戦争では、一般兵士のみならず、最前線で部隊を率いた将官までもが犠牲となりました。彼らの名前は、戦争の悲劇性と、階級に関わらず誰もが戦火の危険にさらされていたという事実を、後世に伝え続けています。