1910年から1918年にかけて、女性のファッションは大きく変貌を遂げました。この時期は社会や文化の大きな転換期と重なり、その変化が服装にも色濃く反映されています。ここでは、当時の女性服の主な特徴を年代ごとにご紹介します。
1910年〜1914年:エレガンスが花開いた前期
- S字シルエットの継続: 1910年代初頭は、細い腰とヒップを強調する「Sベンド(S字カーブ)」と呼ばれるシルエットが引き続き主流でした。
- ロングスカート: ドレスやスカートは足首まで、あるいは床に届くほどの長さが一般的でした。
- 精巧な装飾: ブラウスやボディスには、手の込んだレースや刺繍が施されることが多くありました。
- コルセットの存在: ウェストを締めるコルセットは依然として広く使われていましたが、「健康コルセット運動」が始まり、より快適な下着が提案されるようになりました。
- 帽子の重要性: 帽子は欠かせないアクセサリーであり、つばの広いスタイルが人気を集めていました。
1914年〜1918年:第一次世界大戦がもたらした変革
- 戦争の影響: 1914年に勃発した第一次世界大戦は、ファッションの世界に大きな転換点をもたらしました。
- 女性の社会進出: 男性が戦場へ赴いたことで、女性が新たな役割や職業を担うようになり、それが服装の変化として表れました。
- 動きやすさの追求: スカートは短くなって動きやすさが重視されるようになり、ゆったりとしたワンピースや仕立ての良いスーツが一般的になりました。
- ウエストラインの低下: 1910年代初頭の高い位置から、より自然な高さへとウエストラインが下がりました。
- 帽子の小型化: 帽子は小ぶりで装飾の少ないものへと変わり、クロッシュハット(鐘型帽)が人気を博しました。
この時代の全体的なテーマ
1. シンプルで実用的なスタイルへ
戦争により、戦前の華美で装飾過多なファッションから離れ、女性の服装はより実用的で機能的なものへと移行しました。
2. テーラリングの台頭
家庭外で活躍する機会が増えた女性たちの間で、仕立ての良いスーツ、ジャケット、ブレザーが人気となりました。
3. 芸術運動の影響
アール・ヌーヴォーやアール・デコといった芸術運動は、プリント、模様、刺繍などの女性服の装飾要素に大きな影響を与えました。
4. スポーツウェアの誕生
スポーツに参加する女性が増えたことで、ニッカーボッカーズやテニスドレスなど、現代につながる初期のスポーツウェアが生まれました。
5. 裾の短縮化への移行
スカートやドレスの丈は1910年代を通じて徐々に短くなり、十年の始めには足首丈や床丈だったものが、十年の終わりには膝下程度まで上がっていきました。
これらの特徴は、1910年から1918年という激動の時代における女性ファッションの変遷を物語っています。服装の変化は単なる流行にとどまらず、当時の社会的・文化的・歴史的な背景の変化を如実に反映していたのです。