マーティン・ルーサー・キング・ジュニア暗殺事件の概要
1968年4月4日、アメリカ合衆国テネシー州メンフィスにあるロレイン・モーテルのバルコニーで、公民権運動の指導者マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師が銃撃され、死亡しました。享年39歳。犯人として特定されたのは、逃亡中だったジェームズ・アール・レイ(James Earl Ray)という人物です。
犯人が使用した銃
レイが使用したのは、アメリカの銃器メーカー「レミントン」が製造したモデル760 ゲームマスター(Model 760 Gamemaster)というライフルです。これは主に鹿などの狩猟を目的とした実用的な猟用ライフルで、.30-06スプリングフィールド弾(.30-06 Springfield)を使用します。
レミントン・モデル760 ゲームマスターとは
モデル760は、ポンプアクション(スライドアクション)方式の連発式小銃で、1948年から1981年頃まで生産されていた人気の狩猟用ライフルです。当時のアメリカでは一般家庭でも猟銃を所有することが珍しくなく、レイも事件の約1週間前、偽名を使ってアラバマ州バーミングハムの銃砲店でこのライフルを購入したとされています。
事件の経緯
キング牧師はモーテルの2階バルコニーに立っていたところ、道路を挟んだ向かい側の下宿屋の一室から発射された一発の弾丸に命中しました。レイは直ちに現場から逃走し、国外へ脱出しましたが、約2か月後の1968年6月、ロンドンのヒースロー空港で逮捕されています。
歴史を大きく動かしたこの悲劇が、ごく一般的な狩猟用ライフルによって引き起こされたという事実は、銃が身近に存在するアメリカ社会の闇を象徴する出来事として、今日まで語り継がれています。