アメリカ南北戦争期の南軍(アメリカ連合国軍)総司令官として知られるロバート・E・リー。彼にまつわる興味深い疑問の一つが、「彼は何個の星を持っていたのか」というものです。ここでいう「星」とは、将官の階級章に用いられる星章を指します。
合衆国陸軍から星を授かることはなかった
結論から言えば、ロバート・E・リーがアメリカ合衆国陸軍から星章を授与されることはありませんでした。合衆国陸軍では、准将に1つ星、少将に2つ星、中将に3つ星、大将に4つ星というように、星の数で将官の階級を表します。しかし、リーは1861年4月、故郷バージニア州が連邦を離脱したことに伴い、当時の階級である大佐のまま合衆国陸軍を辞任し、南軍に加わったのです。北軍側から見れば、リーは「敵対する南軍の将軍」であり、合衆国陸軍が彼に星章を与えることは当然ながらありませんでした。
南軍の制服に飾られた「3つの星」
一方、南軍におけるリーの制服には、星があしらわれていました。アメリカ連合国陸軍では、将官の襟に金色の星3つと月桂樹の葉の装飾を付けるのが慣例で、リーも1861年6月に大将(General)に任じられ、両襟に3つずつの星を着けた姿で知られています。つまり、「リーの星はいくつか」という問いに対しては、文脈によって答えが変わるのです。合衆国陸軍としては0個、南軍の階級章としては3個ということになります。
死後100年以上を経て回復された市民権
余談ですが、リーは戦後、反逆罪の嫌疑を抱えたまま1870年に死去しました。彼の合衆国市民権は失われたままでしたが、1975年、ジェラルド・フォード大統領により死後名誉回復の形で市民権が回復されています。これは、国家分裂の歴史をどう記憶し、和解へ向かうかというアメリカの歩みを象徴する出来事とも言えるでしょう。
まとめ
ロバート・E・リーは、合衆国陸軍から星章を授与されることのないまま南軍へと転じた人物です。ただし南軍の将官として、その制服には3つの星が輝いていました。「星の数」という一見単純な問いが、南北戦争という激動の時代と一人の軍人の複雑な人生を映し出しているのです。