歴史上の人物

翼を閉じた1921年アメリカ1ドル銀貨の価値は?ピースダラーとモーガンダラーの見分け方と相場

「翼を折りたたんだ(閉じた)1921年アメリカ1ドル銀貨を持っているが、価値はいくらなのか?」――こうした質問をよく耳にします。結論から言うと、翼を閉じた鷲が描かれた1921年1ドル銀貨は実在します。それが初年度発行となる「ピースダラー(平和記念ドル)」です。ただし、同じ1921年には翼を広げた鷲の「モーガンダラー」も発行されているため、両者を混同して「本物ではない」と誤解されるケースが少なくありません。

翼の形で見分ける2種類の1921年ドル銀貨

1921年ピースダラー:翼を閉じて岩に止まる鷲

ピースダラーは第一次世界大戦の終結を記念して1921年に発行が始まった銀貨で、デザインを手がけたのは彫刻家のアンソニー・デ・フランチシです。表面には自由の女神、裏面には翼を閉じて岩の上に立ち、オリーブの枝をつかむ鷲が描かれ、「平和」への願いが込められています。1921年発行分はハイレリーフ(高浮き彫り)仕様で、フィラデルフィア造幣局のみで約100万枚が鋳造されました。

1921年モーガンダラー:翼を広げた鷲

一方、1878年から発行されていたモーガンダラーの最終年が1921年です。こちらの裏面には翼を大きく広げた鷲が描かれています。フィラデルフィア造幣局だけで約4,400万枚と大量に鋳造されたため、コレクター市場では比較的入手しやすい年号となっています。

1921年ドル銀貨の相場の目安

どちらの銀貨も銀含有率は90%(純銀約0.77オンス相当)で、地金価格が価値の下限となります。ただし、実際の取引価格は保存状態(グレード)によって大きく変わります。

  • 1921年モーガンダラー: 発行枚数が多いため、流通品であればおおむね数十ドル程度から取引されます。未使用に近い高グレード品はさらに高く評価されます。
  • 1921年ピースダラー: 初年度かつハイレリーフであることから人気が高く、流通品でも100ドル前後、美品や未使用品では数百ドル以上になることもあります。

正確な査定額は銀相場や硬貨のコンディション、専門家によるグレーディング結果によって変動します。売却を検討している場合は、信頼できるコインディーラーやPCGS・NGCといった鑑定機関に相談するのが安心です。

偽物・模造品にも注意

人気の高い1921年ドル銀貨には、海外製の模造品も出回っています。重量・直径・縁のギザギザ(リーディング)が規格と一致しているか、銀特有の質感や音色があるかなどを確認しましょう。少しでも疑問があれば、専門家による真贋鑑定を受けるのが確実です。

まとめ

翼を閉じた鷲の1921年1ドル銀貨は偽物ではなく、初年度のピースダラーとして実際に存在します。翼を広げた鷲ならモーガンダラー、翼を閉じた鷲ならピースダラー――この違いさえ押さえれば、手元の銀貨がどちらなのか簡単に判別できます。それぞれの相場を把握し、状態に応じた適切な査定を受けましょう。