歴史上の人物

1943年ウォーキング・リバティ50セント銀貨に「W」ミントマークは存在する?その価値と見分け方を解説

結論からお伝えすると、1943年に「W」のミントマークが入ったウォーキング・リバティ・ハーフダラー(50セント銀貨)は存在しません。1943年にこの硬貨を鋳造したのはフィラデルフィア造幣局のみであり、同局製のコインにはミントマーク自体が刻印されないためです。

なぜ「W」ミントマークのコインは存在しないのか

ウォーキング・リバティ・ハーフダラーは、1916年から1947年まで鋳造されたアメリカ合衆国の50セント銀貨です。通常はデンバー造幣局(D)、サンフランシスコ造幣局(S)、そしてミントマークを持たないフィラデルフィア造幣局の3か所で生産されていました。

ところが1943年は、第二次世界大戦の影響もあり、フィラデルフィア造幣局だけが鋳造を担当しました。そのため、1943年銘に「W」をはじめとするミントマークが刻まれた例は一切ありません。「W」入りの1943年銘を見かけた場合は、単なる見間違いか、後から加工されたものである可能性が高いといえます。

「W」に見えるものの正体はデザイナーのイニシャル

多くの人が「W」と勘違いするのは、表面(リバティの肖像がある側)に刻まれたデザイナーのイニシャル「AW」です。これはデザインを手掛けた彫刻家アドルフ・A・ワインマン(Adolph A. Weinman)の署名であり、ミントマークではありません。

本来、このシリーズのミントマークは裏面(ハクトウワシが描かれた側)の左下に刻印されますが、1943年銘の裏面には何も刻印されていません。表面の「AW」と裏面の有無を確認すれば、簡単に見分けられます。

1943年ウォーキング・リバティ・ハーフダラーの価値

1943年銘は約5,300万枚と発行数が多く、希少性は高くありません。ただし90%の銀を含む銀貨のため、地金としての価値(約0.36トロイオンスの純銀)が常に下支えします。状態別のおおよその目安は以下の通りです。

  • 流通品(摩耗のある状態):10〜20米ドル程度
  • 未使用に近い美品:30〜60米ドル程度
  • MS65以上の高グレード品:100米ドル以上になることもある

銀価格の上昇に伴って地金価値も変動するため、売却を検討する際は最新の銀相場を確認することをおすすめします。また、真贋やグレードを正確に知りたい場合は、PCGSやNGCなどの第三者鑑定機関の利用が安心です。