アメリカでは1982年より前に鋳造されたペニー(1セント硬貨)は、主に銅(ブロンズ)で作られていました。1982年以降は亜鉛に銅メッキを施した硬貨へと切り替えられたため、それ以前の「銅製ペニー」は素材そのものにも一定の価値があります。
ただし、1965年以前のペニーの価値は、素材だけでなく「状態」と「希少性」によって大きく左右されます。一般的な流通品は額面程度の価値しかありませんが、希少な年号やエラー硬貨、保存状態の良い未使用品は、驚くほど高額で取引されることもあります。
1965年以前のペニーのおおよその価値目安
一般的な流通品
1909年〜1958年のホイート・セント、1959年〜1964年のリンカーン・セントなど、発行枚数が多く市場に流通しているものは、額面の1セント程度の価値にとどまるのが一般的です。
エラー硬貨(流通品)
ダブルダイ(二重打ち)、ダイブレイク(型の破損による痕跡)などのエラーがあるペニーは、コレクターの間で人気が高く、数ドル以上の価格で売買されることがあります。
希少な未使用品・キーデイト
発行枚数が極めて少ない年号(キーデイト)や、状態の優れた未使用品は高額になる可能性があります。代表的な例は以下の通りです。
- 1909-S V.D.B. セント: 裏面にデザイナー、ビクター・デヴィッド・ブレンナーのイニシャル(V.D.B.)が刻まれていることで知られる超有名硬貨です。発行枚数が非常に少なく、状態によっては数百ドルから数千ドルのプレミアムが付きます。
- 1913 リバティヘッド・ニッケル: ペニーではなく5セント硬貨ですが、アメリカのコイン収集界で最も有名な希少品の一つです。確認されている現存数はわずか5枚のみで、鑑定で真贋が確かなものと認められれば、数十万ドル規模の価格が付くこともあります。
- 1943年 銅製セント: 第二次世界大戦中の金属節約策により、1943年のペニーは本来スチール(鉄)で鋳造される予定でした。ところが、ごく一部が誤って銅で作られたとされ、この「1943年銅セント」は極めて希少で、数万ドル以上で取引されることもあります。
保存状態が価値を大きく左右する
コインの評価において、保存状態(グレード)は非常に重要な要素です。摩耗やキズが一切ない未使用品(UNC)は、流通品よりも大幅に高い評価を受けるのが一般的です。なお、素人判断での洗浄や研磨はかえって価値を下げてしまうため、絶対に行わないようにしましょう。
1965年以前のペニーや手元にあるコインの正確な価値を知りたい場合は、信頼できる貨幣鑑定士(ナミスマティスト)、またはPCGSやNGCといった権威ある鑑定機関に相談することをおすすめします。