1530年に神聖ローマ皇帝カール5世へ提出されたアウグスブルク信仰告白は、ルター派神学の核心を成す重要文書です。フィリップ・メランヒトンがマルティン・ルターの思想を基にまとめたこの告白の中で示された答えは、後に宗教改革の基本原則として知られる「4つのソラ(Sola)」に集約されます。
1. Sola Scriptura(聖書のみ)
聖書のみとは、聖書こそがキリスト教の信仰と実践における神的真理と権威の唯一の源であるという立場です。教会の伝承や人的権威ではなく、聖書そのものに立ち返ることこそが信仰の規準であるとされました。
2. Sola fide(信仰のみ)
信仰のみとは、救いは人間の善行や功績によってではなく、キリストへの信仰のみを通して受け取られるという教えです。これは義認(ぎにん)をめぐるルター神学の中心的主張であり、宗教改革の最大の争点ともなりました。
3. Sola gratia(恵みのみ)
恵みのみとは、救いが完全に神の恵みの賜物であり、人間の努力や行いによって獲得したり達成したりできるものではないという考えです。人は神から一方的に与えられる恵みによって救われるのです。
4. Christus solus(キリストのみ)
キリストのみとは、キリストが神と人類との間の唯一の仲介者であり、救いの唯一の源であるという教えです。聖職者や聖人を通さず、キリスト自身が信じる者に直接救いをもたらすとされます。
これら4つの原則は、当時のローマ・カトリック教会の教えに対するプロテスタント改革の根本的な主張を表しており、今日でもルター派をはじめとするプロテスタント諸教会の神学的基盤として受け継がれています。