装甲戦車は機関銃に対して無敵ではなかった
結論から言えば、装甲戦車は機関銃に対して無敵ではありませんでした。「鉄の要塞」というイメージが強い戦車ですが、その防御力は時代とともに進化してきたものであり、誕生当初はむしろ機関銃に対して脆弱な存在でした。
初期の戦車は重機関銃に脆弱だった
第一次世界大戦で実戦投入されたイギリスのマークI戦車などの初期戦車は、重機関銃の射撃に対して大きな弱点を抱えていました。当時の装甲板の厚さはわずか6〜12mm程度しかなく、ドイツ軍のMG08重機関銃が発射する大口径弾を確実に防ぐには不十分だったのです。
さらにドイツ軍は、貫通力の高い「K弾(硬芯徹甲弾)」を実戦に投入し、これによって初期戦車の装甲を遠距離からでも貫通できるようになりました。やがて世界初の対戦車ライフルとなる「モーゼルT-Gewehr(13.2mm)」も登場し、歩兵一人ひとりが戦車に対抗しうる手段を手に入れることになります。
装甲の進化と機関銃への耐性向上
戦車の発展に伴い、装甲は次第に厚く、強靭になっていきました。第二次世界大戦期には傾斜装甲の採用などによって防御力が飛躍的に向上し、通常の小銃弾や機関銃弾をほぼ無効化できるようになりました。この時期以降、一般歩兵用の機関銃が正面から戦車を撃破することは極めて困難になっています。
現代の戦車でも完全な無敵ではない
しかし、現代の戦車といえども絶対的な安全が保証されているわけではありません。12.7mm(0.50インチ)や14.5mmといった大口径機関銃が発射する徹甲弾は、戦車の側面・後部・上面といった比較的脆弱な部位や、照準器、履帯、外部装備などに損害を与える可能性があります。
特に軽装甲車両や装甲兵員輸送車(APC)にとって、大口径機関銃は今なお深刻な脅威であり続けています。
まとめ
装甲戦車は誕生当初から機関銃に対して絶対的な防御力を持っていたわけではありません。装甲の進化が防御力を高める一方で、大口径化した機関銃や徹甲弾の技術もそれに対応して発展しており、戦車と対戦車兵器の攻防は今日まで続いているのです。