歴史クイズ

米英戦争(1812年戦争)の終結時、イギリスは何を放棄したのか?

米英戦争は膠着状態で終結

1812年から1815年初頭にかけて続いた米英戦争(War of 1812)は、歴史上まれな「事実上の引き分け」として幕を閉じました。アメリカ側はカナダ侵攻などの戦争目標を達成できず、一方のイギリス側もアメリカ領土の奪取や海上通商規制の完全な強制には失敗しました。つまり、どちらの陣営も開戦時に掲げた目的を果たせなかったのです。

イギリスが放棄したもの――答えは「何もない」

この結果、1814年12月24日にベルギーのゲントで調印された講和条約「ゲント条約(Treaty of Ghent)」では、いずれの国にも領土の割譲や賠償は求められませんでした。イギリスが戦争の終わりに何かを放棄したわけではなく、両国は互いに占領地を返還し、戦前の国境線を復元することで合意しました。この方式はラテン語に由来する「ステータス・コー・アンテ・ベッルム(status quo ante bellum=戦前の状態への復帰)」として知られています。

ゲント条約の主な内容

・すべての占領地・捕獲地の相互返還
・戦前の米加国境の復元
・アメリカとイギリス(カナダ)間の平和的関係の回復

漁業権や通商に関する未解決の問題は、その後の別途交渉に委ねられましたが、領土面での大きな変更はありませんでした。興味深いことに、この戦争におけるアメリカ最大の勝利とされるニューオーリンズの戦いは、条約調印後の1815年1月8日に行われています。当時は通信手段が遅く、停戦の知らせが戦場に届く前に戦闘が行われたのです。