ベトナム戦争が続いた長い期間には、複数のアメリカ合衆国国務長官が就任し、それぞれの時代における対ベトナム政策の最前線に立っていました。ここでは、戦争期に国務長官を務めた主要な2人を紹介します。
1. ディーン・ラスク(Dean Rusk)
任期:1961年1月21日 ~ 1969年1月20日
ディーン・ラスクは、ジョン・F・ケネディ政権およびリンドン・B・ジョンソン政権の両方で国務長官を務めました。在任中の1965年には米軍の本格的なベトナム派兵が開始され、戦争が大幅にエスカレートした時期の外交責任者でした。ラスクは軍事介入の継続を支持する立場を取り、ベトナム戦争拡大の中心的な推進者の一人とされています。
2. ウィリアム・P・ロジャース(William P. Rogers)
任期:1969年1月22日 ~ 1973年9月3日
ウィリアム・P・ロジャースは、リチャード・ニクソン政権下で国務長官を務めました。ただし、この時期の外交政策の実権は、国家安全保障問題担当大統領補佐官であったヘンリー・キッシンジャーが強く握っていたことで知られています。ロジャースの在任中、米軍の段階的撤退が進み、1973年1月のパリ和平協定の締結によってアメリカはベトナムから事実上撤退することとなりました。
まとめ
ベトナム戦争期のアメリカ外交を牽引した国務長官は、主にケネディ・ジョンソン両政権のディーン・ラスクと、ニクソン政権のウィリアム・P・ロジャースの2人です。前者は戦争の拡大期を、後者は撤退へ向かう転換期を担当したという点で、それぞれ異なる歴史的役割を果たしました。