16世紀の地理学者・著述家であるリチャード・ハクルート(Richard Hakluyt)は、イギリス王室に対して海外植民地化への支援を積極的に訴えた人物として知られています。彼が挙げた主な論拠は、「経済」「宗教」「戦略」という三つの側面に整理できます。
経済的な利益
ハクルートは、イギリスによる植民地化が国家にもたらす経済的利益を力説しました。新たな市場や資源、貿易ルートへのアクセスは、国の富の増大に直結すると彼は考えていました。実際、スペインやポルトガルといった他のヨーロッパ諸国はすでに成功裏に植民地を築き、その経済的見返りを享受していました。ハクルートは、イギリスも同じ道を歩むべきだと主張したのです。
宗教的な利益
また、ハクルートは宗教的な側面からも植民地化の意義を強調しました。彼にとって、新世界へキリスト教を広め、先住民をプロテスタントへ改宗させることは、イギリスが果たすべき神聖な義務でした。これは敬虔かつ名誉ある事業であり、イギリス本国と現地の人々の双方にとって利益をもたらすと、彼は信じていたのです。
戦略的な利益
さらに、ハクルートは戦略的な観点からもその必要性を訴えました。植民地の獲得は、イギリスが世界の主要国としての地位を確立し、競合するヨーロッパ諸国が台頭する中で自国の利益を守るために不可欠だと考えました。加えて、植民地は戦時において貴重な軍事拠点や資源の供給源となりうることについても言及しています。
まとめ
このように、ハクルートが王室の支援を求めた根拠は、経済・宗教・戦略という三つの要素が組み合わさったものでした。彼は、植民地化が多方面にわたってイギリスに利益をもたらす価値ある事業であり、君主の後押しを受けるにふさわしいものであると確信していたのです。