歴史クイズ

1919年から1939年までの期間はなぜ「20年の休戦」と呼ばれるのか?正しくは「戦間期」

1919年から1939年までの約20年間を指して「20年の休戦」という言葉を使うことがありますが、実はこれが正式な歴史学上の用語であるかのように受け取るのは誤りです。歴史家たちが一般的にこの時代を表すのに用いるのは、「戦間期(せんかんき)」、英語では「interwar period」あるいは「interwar years」という呼称です。

「20年の休戦」の由来となった有名な逸話

とはいえ、この表現が完全に根拠のないものかといえば、そうでもありません。その背景には興味深い歴史的逸話があります。第一次世界大戦の講和条約であるヴェルサイユ条約が調印された1919年、フランスの元帥フェルディナン・フォッシュは、この条約について「これは平和ではない。それは20年間の休戦にすぎない(This is not peace. It is an armistice for twenty years)」と予言したと伝えられています。

皮肉にも、この予言はほぼ的中しました。1919年からちょうど20年後の1939年9月、ドイツ軍のポーランド侵攻によって第二次世界大戦が勃発したのです。このことから、両大戦に挟まれた時期を象徴的に表す比喩として「20年の休戦」という表現が使われるようになりました。

歴史学で標準的な「戦間期」という用語

しかし、学術的・専門的な文脈で用いられるのはあくまで「戦間期」です。この用語は、単なる時間的な区切り以上の意味を持ち、以下のような時代の特徴を包括的に捉えています。

  • ヴェルサイユ体制下で成立した脆弱な国際秩序と、それを揺るがす力の台頭
  • 1929年の世界恐慌に代表される深刻な経済危機
  • ドイツにおけるナチス政権の誕生など、ファシズムと全体主義の拡大
  • 国際連盟による集団安全保障の限界

まとめ

つまり、「20年の休戦」はフォッシュ元帥の有名な予言にちなんだ比喩的な表現であり、厳密な学術用語ではありません。1919年から1939年までの時代を指す正式な呼称は「戦間期」であり、歴史研究や教科書ではこちらの名称が広く採用されています。ただし、この比喩が示す通り、戦間期は真の平和が訪れた安定期ではなく、次なる大戦への序章であったという点で、20世紀史において極めて重要な時代といえるでしょう。