イラクは中東に位置する国です。国民の大多数は、預言者ムハンマドの生涯と教え、そして聖典コーランに基づくイスラム教を信仰の拠り所としています。
キリスト教徒への命名制限
750年以降、イラクには少数派ながらキリスト教を信仰として選ぶ人々が存在してきました。イラク国内でキリスト教徒は着実に増加していき、その動向はイスラム教当局の注意を引くこととなりました。イスラム地域におけるキリスト教徒の数が多くなったことを受け、当局は2000年、キリスト教徒が子どもに西洋式・キリスト教式の名前を付けて洗礼を行うことを禁じる法律を制定しました。登記できる名前は、コーランに記載されているもの、またはアラビア語起源のものに限定されたのです。
教育現場における差別
その他にも、イラクのキリスト教徒の生活を困難にする迫害が数多く行われました。その一つが教育に関する制約です。国の法律により、一つの学校が受け入れられるキリスト教徒の生徒は25人までと定められていました。もしキリスト教徒の生徒が25人に達すると、その学校はキリスト教教育を提供する義務を負うことになります。そうなるとイスラム教徒の生徒が学校を去り、大きな損失を被った学校は最終的に倒産へ追い込まれる恐れがあったためです。
宗教改宗をめぐる不平等
さらに、宗教改宗に関する厳しい二重基準も存在しました。キリスト教徒がイスラム教へ改宗することは社会に広く受け入れられましたが、イスラム教徒がキリスト教へ改宗することは法律で明確に禁止されていました。仮に改宗した場合、当人は洗礼を施した者もろとも殺害されたのです。
現在も続く迫害
今日でも、この地域ではキリスト教徒に対する大規模な迫害が続いています。彼らは脅迫され、誘拐され、国外への移住を強要され、命を奪われています。さらに、イラクの信頼に値しない「西洋の代理人」として扱われるという、深刻な差別に直面しているのです。