「Dデイ」、運命の降下――E中隊を率いた男の記録
1944年6月6日、「Dデイ」(ノルマンディー上陸作戦)の当日、ディック・ウィンタースは第506空挺歩兵連隊とともに、ドイツ占領下の北フランスへとパラシュート降下しました。ユタ・ビーチに上陸する部隊は、E中隊が堤防の一つを確保してくれることを期待していました。堤防を押さえることができれば、攻撃部隊はビーチから脱出し、ノルマンディー奥深くへ進撃できるはずだったのです。

ディック・ウィンタース少佐。書籍『バンド・オブ・ブラザーズを超えて』表紙より。
降下の最中、中隊長が乗っていた輸送機が撃墜され戦死すると、ウィンタースは突如として中隊全体の指揮を執ることになりました。ところが当時、彼自身も多くの部下と同じく、降下時に装備のほとんどを失っており、手元に残っていたのはナイフ一本だけだったのです。
アンブローズが描かなかった物語
この第二次世界大戦に関する驚くべき回想録の中で、ウィンタースは、1992年に出版されたスティーヴン・アンブローズの名作『バンド・オブ・ブラザーズ』に収められなかった数々のエピソードを語ります。第506連隊を米陸軍最高の部隊に仕立て上げるための過酷な訓練の描写から始まる本書は、「Dデイ」からE中隊を指揮し、その後アルデンヌの戦い(バルジの戦い)やドイツ本土での戦闘を戦い抜いた男の体験を綴った、魅力的な物語です。
ウィンタースは、極限状況下におけるリーダーシップについても丁寧に考察しています。中隊がドイツ領内に到達する頃には、兵士一人ひとりが何らかの形で死傷者となっていたほどです。そして本書は、これらの歴史的事件に実際に身を置いた当事者の視点から、ヒトラーが連合軍によって最終的に打ち破られた真実の物語を伝えています。

ディック・ウィンタース少佐の回想録『バンド・オブ・ブラザーズを超えて』は、出版社公式サイトにて割引価格で購入できます。
世界中の読者が求めた「続きの物語」
1992年刊行のスティーヴン・アンブローズ著『バンド・オブ・ブラザーズ』と、それを原作としたHBOのテレビシリーズによって、「Dデイ」から終戦まで戦い続け、兵力の150%もの損耗を被った第506空挺歩兵連隊E中隊の物語は、軍事史愛好家だけでなく幅広い層の読者・視聴者の心をつかみました。本の出版とシリーズ放送後、中隊長ウィンタースのもとには、部隊の足跡をもっと詳しく知りたいという読者からの問い合わせが数多く寄せられるようになったのです。
アンブローズが使用しなかった貴重な資料の多くは出版される価値があると考えたウィンタースは、度重なる要望に応えるべく、自らの手で回想録を執筆することを決意しました。すでに物語をご存じの方のために、少佐と共著者は見事な語りを作り上げています。訓練時代から前線への出征、そして占領任務に至るまで、ウィンタースが経験した出来事、参戦した戦闘、そしてその間ずっと彼の心を離れなかった思索が、飾らない筆致で綴られているのです。
模範的な指揮官として高く評価されてきたウィンタース。本書では、彼がその評価に値する存在となるために、何をどのように行ったのかを自ら明かしています。一冊の本としても、そして戦時の任務の記録としても、まさに見事な仕事といえるでしょう。
『バンド・オブ・ブラザーズを超えて』は出版社公式サイトで購入可能