歴史物語

「自由なアテネ」公式サイトが消失——わずかなサーバー費用で失われた貴重な歴史資料

ナチス・ドイツによる占領からのアテネ解放を記念する「自由なアテネ(Free Athens '44)」のイベントが、パンデミックのため今年は開催されない。テクノロジーの進歩を考えれば、こうした大きな障害も乗り越えられたはずであり、簡単に受け入れられる話ではないが、それでも相応の理解を示すことは可能だろう。

しかし、たった40〜50ユーロの支払いを渋ったせいで、過去5年にわたりイベントの拠点となり、歴史的価値の極めて高い資料群を「収蔵」してきたウェブサイトが消滅してしまったことは、到底容認できない。怒りを禁じ得ない事態だ。しかも、「黄金の夜明け」裁判の進展を受けて、今年は教員や一般市民からこの資料への関心が高まっていた矢先のことだけに、憤りはいっそう深まる。

わずかなサーバー費用で失われたアーカイブ

2019年10月までの各年、この「ばかげたほど少額」の費用はアッティカ地方の予算から賄われてきた。ところが2020年にはそれが実現せず、現在「www.freeathens44.org」にアクセスしても、無機質な白いページが表示されるだけである。

歴史学者の悲痛な訴え

イベントをチームとともに監修してきた歴史学者メネラオス・ハラランビディス氏は、フェイスブックで次のように述べている。

「本当に悲しいことです。このサイトの資料――写真、文書、証言、音声・映像資料、ドキュメンタリーなど――は、数十人の教員が学校の記念行事を企画する際に活用してきました。10月12日だけでなく、10月28日の『オヒの日』の行事にも使われ、当然ながら何千人もの市民にも利用されてきたのです」

同氏はさらにこう続ける。「つまりこれは単なる中止ではなく、私たちに過去を違った角度から、創造的かつ意義深く捉えることを教えてくれた人々の営みの『抹消』なのです。中止させるために何かが計画され、準備され、組織されたわけでは一切ありません。ただ、共催した5団体がこれらのイベントを見殺しにしただけです」

支援団体の沈黙、そしてサイトの消滅

過去5年間、市民に深く愛されてきたこれらのイベントは、アテネ市、アッティカ地方、ギリシャ国営放送(ERT)、ギリシャ議会財団といった公的機関に支えられてきた。ところが今年は、電話一本すらなかったという。

そして最後には、サーバー利用料が未払いだったことが判明し、サイトごと「投げ捨てられる」結果となったのである。