歴史物語

古代エジプト人はどうやって食べていた?庶民の食卓と食事スタイルに迫る

古代エジプト人はどうやって食べていた?庶民の食卓と食事スタイルに迫る

古代エジプトのパン

時代ごとの「宴」:エジプト人はどのように食べていたのか

あらゆる時代、あらゆる民族には、それぞれの食卓の作法があります。では、古代エジプトの人々は、毎日の食事をどのようにとっていたのでしょうか。

もう少し具体的に言えば、日々の食事のために「テーブル」に着くとき、彼らはどんな姿勢やスタイルで座っていたのでしょう。

その答えはとてもシンプルです。彼らは葦や藺草など、天然繊維で編まれた敷物の上に気楽な姿勢で座り、目の前に置かれた非常に低いテーブルから食べ物を取っていました。

さらに興味深いのは、フォークやスプーンといった食器類が存在しなかったという点です。料理を取り分けたり口に運んだりするのは、もっぱら手だけ。これは多くの古代文明に共通して見られる習慣でした。ただし、儀式や祝宴の場面では、王や貴族向けに装飾を施した器やスプーンが使われることもあったようです。

庶民の味方、パンとビール

庶民の間で最も多く食べられていたのはパンでした。大麦やエンマーコムギを原料としたパンには実に豊富なバリエーションがあり、形も大きさもさまざまでした。パンは単なる食べ物にとどまらず、労働の対価として支払われることもある、人々の暮らしの中心的な存在だったのです。

そして、最もよく飲まれていた飲み物こそがビールです。古代エジプトのビールは現代のような澄んだものではなく、濁っていて粘り気のある、栄養価の高い「液体のパン」とも呼べるものでした。パンと並んで、庶民にとって欠かせないカロリー源となっていたといわれています。