19世紀パリのアヘン窟(アヘンダン)
「アヘン」という言葉はどこから来たのか
アヘン(opium)という言葉には、非常に古い起源があります。そのルーツは古代ギリシャ語にまで遡ることができます。
ギリシャ語の òpion(オピオン) は、もともと「汁液」を意味する言葉でした。これは、ケシの花(学名:Papaver somniferum)の果実(蒴果)から自然に分泌される乳液(ラテックス)を指していたのです。
アヘンができるまでの過程
この乳白色の液体は、空気に触れると徐々に凝固し、はるかに濃い色へと変化していきます。こうしたごく簡単な採取方法によって得られる樹脂状の物質を集め、練り合わせて固めたものが、いわゆる「アヘンの餅」と呼ばれる塊です。
薬にも毒にもなった物質
アヘンは本質的に一種の麻薬であり、過去には幅広く利用されてきました。少量を摂取すれば鎮痛作用が得られ、医療面で重宝されました。一方で、より多量に摂取すると幻覚や譫妄(せん妄)を引き起こす効果があることも知られていました。
しかし、こうした強い作用をもたらす用量は、命を落とす危険性を伴うものであり、実際に死亡に至るケースも決して少なくありませんでした。まさに、薬と毒が紙一重だった物質といえるでしょう。