
写真:「バン・マリー(湯煎)」を使った調理の一例
料理において「バン・マリー(bain-marie、湯煎)」で調理するとは、食材を入れた容器をお湯を張った別の容器の中に浸し、炎に直接触れさせないよう間接的に加熱することを意味します。
急激な温度変化を避けられるため、卵液やチョコレート、ソースなどデリケートな素材をなめらかに仕上げたいときに重宝される調理法で、世界中の厨房で広く用いられています。
名前の由来は聖書にあり?
実はこの「バン・マリー」という名称には、聖書に由来するとされる興味深い背景があります。
モーセとアロンの姉妹であるミリアム(エジプト語では「マリア」)が、この間接加熱の手法を最初に試した人物だとされているのです。そこから「マリアの湯」を意味する「バン・ドゥ・マリー(bain de Marie)」という言葉が生まれ、長い時を経て今日の「バン・マリー」として私たちに伝わってきたといわれています。
現代でも活躍する古典技法
現在では、プリンやテリーヌを蒸し上げるとき、高級ソースを保温するとき、ビターなチョコレートを滑らかに溶かすときなど、さまざまな場面で湯煎が活躍しています。オーブンの天板にお湯を張って型を並べる方法もバン・マリーの一種であり、数千年の時を超えて受け継がれてきた知恵だと言えるでしょう。