
カリギュラの顔の復元イメージ
ローマ史上最悪の皇帝とされる男
カリギュラ(紀元12年~41年)は、数々の理由から、ローマ史上最悪の皇帝の一人とみなされている人物です。
彼にまつわる奇行や暴虐の記録は、一部に後世の創作や誇張が含まれるものの、その大半は実際の史料によって裏付けられた事実であり、挙げればきりがありません。
宴席での不気味な笑い
そんな数多くの逸話の中に、こんな話があります。ある晩餐会の席上、カリギュラは突然、何の理由もなく大声で笑い出したのです。
同席していた客の一人が、その奇妙な高揚ぶりの理由を尋ねると、皇帝はこう答えました。「今、ふと思いを巡らせていたのだ。お前が死ぬ場面をな」と。
なんとローマの第一市民である皇帝は、目の前にいる食客の死について思いを馳せていたというのです。
そしてその直後、カリギュラはほとんど気まぐれと言ってよい理由で、その客を処刑させてしまいました。この逸話こそ、「暴君カリギュラ」という評判が決して誇張ではないことを物語っています。